原子力規制委は、福井県の高浜原発について、関西電力が地震の揺れの想定:「基準地震動」をこれまでの550ガルから700ガルに引き上げるとしたことに対して、了承する見通しです。
了承されれば、審査が優先的に進められている鹿児島県の川内原発に次いで2番目になるということです。
新潟の中越沖地震では、柏崎刈羽原発において2,000ガルとか、1,500ガルとかの地震時加速度が実測されています※1。それに比べると700ガルは如何にも小さい値です。
※1 2013年3月30日「柏崎刈羽原発敷地内の断層について(続報)」
予測がつかないことについては、できるだけ安全側に考えるというのが当然ですが、「基準地震動」のUP幅をこのようにチマチマしたものに留めているのは、そうしないと補強の規模がどんどん大きくなって対応が困難になるからです。
すべてソロバン勘定によっているわけです。
川内原発については火砕流の危険性※2があるのにもかかわらず、それを無視したまま平然と審査を進めていることと言い、原発の規制基準審査もまた釈然としないことだらけです。
※2 2014年5月3日「川内原発再稼働 噴火予知は適合性審査とは別物と」
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高浜原発 より厳しい揺れの想定了承見通し
NHK NEWS WEB 2014年5月16日
原子力発電所の運転再開の前提となる安全審査を進めている原子力規制委員会は、福井県の高浜原子力発電所について、審査で重視している地震の揺れを巡って、関西電力が示したこれまでより厳しい想定を16日にも了承する見通しです。
了承されれば、審査が優先的に進められている鹿児島県の川内原発に次いで2番目です。
高浜原発3号機4号機は、運転再開の前提となる原子力規制委員会の安全審査を最も早い去年7月に申請した6つの原発の1つです。今月9日の審査会合で、関西電力は、高浜原発の北東にある3つの活断層が連動する前提で、震源の深さを4キロメートルから3キロメートルへと浅くし、審査で重視されている「基準地震動」と呼ばれる地震の揺れの想定を、これまでの550ガルから700ガルに引き上げる考えを示しました。
規制委員会は、16日の会合で関西電力から改めて説明を受け、異論が出なければ高浜原発の「基準地震動」を了承する見通しです。了承されれば、審査が優先的に進められている鹿児島県の川内原発に次いで2番目です。
ただ、高浜原発は、想定の見直しに伴って補強工事が必要で、運転再開の時期は見通せない状況が続いています。