国は福島第一原発に隣接する大熊町、双葉町の一部を国有化して、そこに福島県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設にしようとしていますが、その候補地の約16平方キロ内に、遺跡などの埋蔵文化財が計61件あることが10日、分かりました。
仮に施設が建設されれば貴重な史料が損なわれる恐れがありますが、環境省は候補地内の文化財保護は「地元が受け入れを判断した後に検討する」として、その問題を棚上げしたまま、施設建設に理解を求める形になりそうです。
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大熊、双葉の中間貯蔵施設候補地に埋蔵文化財61件
福島民友ニュース 2014年5月11日
(福島)県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の候補地として、国が国有化方針を示す大熊、双葉両町の約16平方キロ内に、遺跡などの埋蔵文化財が計61件あることが10日、分かった。仮に施設が建設されれば貴重な史料が損なわれる恐れもあるが、環境省は候補地内の文化財保護を「地元が受け入れを判断した後に検討する」とする。施設をめぐる住民説明会は31日にも開かれる見通しだが、同省は文化財保護を棚上げしたまま、施設建設に理解を求める形になりそうだ。
両町には合わせて254件の埋蔵文化財があり、うち建設候補地内の同文化財は4分の1程度に当たる。双葉町教委によると、同町の埋蔵文化財は143件あり、うち候補地内は奈良―平安時代の役所跡「郡山五番遺跡」など35件。大熊町教委によると、候補地内の埋蔵文化財は町全体の111件のうち、江戸時代に使われていた道の跡「熊町一里塚」など26件となる。