2014年5月8日木曜日

原発事故直後の作業で被曝 東電などを提訴

 福島原発で事故直後に働いた48歳の元作業員いわき市在住)が「放射線量が高いことを伝えられないまま作業をさせられて被曝した」として、東電や下請けの企業などに1100万円の賠償を求める訴えを起こしました。
 
 電源ケーブルの接続作業で作業員が被曝した平成23年3月24日の頃は、ようやく外部からの電源供給ケーブルが復旧し、原子炉を冷却するためのポンプへの(仮設)ケーブルの接続に取り掛かっていた時期です。その際に放射能で汚染された水がたまっている地下室で、中には長靴も履かないで作業した作業員も出たと報じられて、原発の現場なのにその程度の準備もなかったのかと驚かされたものでした。
 
 東電は「訴えの内容や主張を詳しくうかがったうえで、真摯に対応する」という神妙なコメントを出したようですが、これまでの対応からは信じられないことです。
 是非とも真摯に且つ良心的に対応して欲しいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~
原発事故直後の作業で被ばく 東電などを提訴
NHK NEWS WEB 2014年5月7日 
東京電力福島第一原子力発電所で事故直後に働いた元作業員が「放射線量が高いことを伝えられないまま、作業をさせられて被ばくした」と主張し、東京電力や下請けの企業などに1100万円の賠償を求める訴えを起こしました。
 
訴えを起こしたのは、福島県いわき市に住む48歳の元作業員の男性で、訴えによりますと、男性は下請け企業の作業員として事故直後の平成23年3月24日に、福島第一原発3号機のタービン建屋で地下に電源ケーブルを接続する作業に当たったということです。
地下には放射性物質に汚染された水たまりがあり、空間の放射線量は1時間当たり400ミリシーベルトが計測されましたが、作業を続けたため、およそ1時間半の間に20ミリシーベルトを超える被ばくをしたと主張しています。
男性は「放射線量が高いことを全く伝えられず作業をさせられ、無用な被ばくをした。裁判を通じて労働環境の改善を求めたい」として、東京電力と所属していた下請け企業などに1100万円の賠償を求める訴えを、7日、福島地方裁判所いわき支部に起こしました。
原発の事故後に働いた作業員は、これまでに3万人を超え、健康管理が課題になっています。
訴えについて東京電力は「詳細は承知していませんが、訴えの内容や主張を詳しくうかがったうえで、真摯(しんし)に対応して参ります」というコメントを出しました。
 
原発作業員の被ばく状況
原発作業員の被ばくに対しては、法律や規則で5年間で100ミリシーベルト、年間でも50ミリシーベルトを超えないよう定められています。
東京電力によりますと、福島第一原発の事故のあとに働いた作業員は、ことし3月末現在でおよそ3万3000人に上り、平均の被ばく線量は12ミリシーベルトですが、緊急時に働いた作業員の中には600ミリシーベルトを超える被ばくをしたケースもあるということです。
このため厚生労働省は、作業員の健康への影響が懸念されるとして、緊急時に働いた作業員を対象に健康診断の結果などをデータベース化する取り組みを始めています。