福島原発事故で放出された放射性セシウム137の総量について、福島大学環境放射能研究所の青山道夫教授は9日までに、事故後の観測データを詳細に分析した結果、1万7500~2万500テラベクレル(テラは1兆)が妥当とする研究結果をまとめ、ウィーンの国際学会で発表しました。
放出総量の推定値はいろいろありますが、青山氏は「実測値で検証された最も確からしい値」としています。
チェルノブイリ原発事故ではセシウム137の放出量は8万9000テラベクレルとされているので、福島原発の放出量はその4.5分の1程度です。
福島原発の事故当初は、チェルノブイリ原発事故での放出量に比べれば格段に少ないとされていましたが、チェルノブイリが初期の10日間ほどで放出が止まったのに対して、福島原発はいまもなお汚染水を中心に大量の放出を続けているので、いずれ肉薄していくことが予想されます。
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1万7千~2万テラベクレル放出 福島原発事故でセシウム137
東京新聞 2014年5月9日
【ウィーン共同】東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウム137の総量について、福島大学環境放射能研究所の青山道夫教授は9日までに、事故後の観測データを詳細に分析した結果、1万7500~2万500テラベクレル(テラは1兆)が妥当とする研究結果をまとめ、ウィーンの国際学会で発表した。
セシウム137は半減期が約30年で、陸海への長期的な影響が懸念されている。放出総量の推定値は研究者により幅が大きいが、青山氏は「実測値で検証された最も確からしい値」としている。