2014年5月27日火曜日

凍土遮水壁は予定通り6月中に着工 15年度完成へ

 福島原発の原子炉建屋に地下水が流れ込むのを防ぐ「凍土遮水壁」について、原子力規制委は、6月中の着工を大筋で了承しまし
 地中に厚さ約2メートル、深さ約30メートル、全長約1.5キロの凍土の壁を作って1〜4号機を囲むもので、2015年度中の完成を目指します。
 
 26日の規制委検討会では、安全性に関する約30項目の質問のうち、地盤沈下の問題を中心に審議し地盤沈下量は最大1.4〜1.6センチなので性能に影響しないという東電の説明を了承しました。
 これ以外の項目については今後も検討会で説明を求めるということなので、すべてがクリアになったのではなさそうですが、もともと規制委は凍土壁計画に参画していた立場もあるので、当初予定の6月着工ということで見切り発車になったようです。
 
 他の項目は、凍土壁構造を根本的に否定する要因ではないからと判断したものと思われますが、完成後に所期の目的が達成されないというような、無様な結果にならないように願いたいものです。
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汚染水 凍土遮水壁 6月中にも建設着手 15年度完成へ
毎日新聞 2014年05月26日
 東京電力は26日、福島第1原発の原子炉建屋に地下水が流れ込むのを防ぐ「凍土遮水壁」の建設に、6月中にも着手することを明らかにした。同日、原子力規制委員会の検討会が着工を大筋で了承した。凍土遮水壁は、増え続ける汚染水を低減する3本柱の対策の一つで、2015年度中の完成を目指す。
 
 この日開かれた規制委検討会では、安全性を懸念して東電などに回答を求めていた約30項目の質問のうち、地盤沈下の問題を中心に審議した。東電は、凍土壁建設後の地盤沈下を最大1.4〜1.6センチと評価。建屋が傾いたとしても日本建築学会の指針を満たし、溶融燃料の冷却などに影響しないと説明した。
 
 規制委側からは大きな異論は出ず、更田(ふけた)豊志委員は「着工そのものを妨げる要素があるとは考えていない」と述べ、掘削工事などの開始を認めた。凍土壁建設中の建屋の傾きや地中の放射性物質の監視方法については、今後も検討会で説明を求める。
 
 同原発では、地下水が建屋に流れ込んで溶融した核燃料に触れ、汚染水が1日約400トンずつ増えている。凍土遮水壁は、地中に埋設した配管にマイナス30度の冷却液を循環させ、地中に厚さ約2メートル、深さ約30メートル、全長約1.5キロの凍土の壁を作って1〜4号機を囲む。【斎藤有香、鳥井真平】