東電は4日、汚染水約100トンを漏らしたタンクの東側(海側)に掘った観測用井戸で2日に採取した水から、放射性トリチウム(三重水素)が1リットル当たり1200ベクレル検出されたと発表しました。
東電は「漏れた汚染水が影響した可能性は否定できない」としていますが、前日の1日に採取した水は検出限界値(1リットル当たり110ベクレル)未満でした。
1リットル当たり1200ベクレルの水を100トン漏らせば、放射能の総量は1億2000万ベクレルという天文学的数値になります。
100トンの汚染水を漏らした最近の事例としては、2月19日に汚染水をタンク上部から漏洩させて堰外へ流出させました(関係記事を添付します)。
それが1ヶ月半後に地下水に到達することは、地下構造によってはあるのかもしれませんが、地下水の濃度が1日前には検出限界以下だったのに、突如急上昇したというあたりは何んとも理解しがたいことです。
因みに100トンを漏洩させた原因も結局不明でした。
福島原発で起きている事象の数々や東電の説明には不可解なことが多すぎます。
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第1原発、1リットル当たり1200ベクレルのトリチウム検出
福島民友ニュース 2014年5月5日
東京電力福島第1原発の地上タンクから汚染水約100トンが漏れた問題で、東電は4日、漏えいタンクの東側(海側)に掘った観測用井戸で2日に採取した水から、放射性トリチウム(三重水素)が1リットル当たり1200ベクレル検出されたと発表した。1日に採取した水は検出限界値(1リットル当たり110ベクレル)未満だったが、濃度が急上昇した。東電は「漏れた汚染水が影響した可能性は否定できない」としている。
井戸は漏えいタンクから東側に約70メートルの場所にあり、深さは約10メートル。タンクから漏れた汚染水が地中に染み込み、地下水に到達した可能性がある。
タンク汚染水100トン堰外へ漏洩、放射性物質2億3千ベクレル検出
産経新聞 2014年2月20日
東京電力は20日、福島第1原発の「H6」と呼ばれる放射性物質を含む汚染水を保管する地上タンク群で、高濃度の汚染水がタンク上部から漏(ろう)洩(えい)し、堰(せき)外へ流出したと発表した。漏洩量は約100トンと推計され、漏れた水からはストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2億3千万ベクレル検出された。タンクは海から離れた地点にあり、東電は「近くに排水溝もないことから海への流出はない」としている。
タンクは、鋼板をボルトでつなぎ合わせた「フランジ式」と呼ばれる簡易製のもの。19日午後11時25分ごろ、パトロール中の作業員がタンク天板部からあふれた水が雨どいをつたって堰外へ流れ出ているのを発見、漏れた水の表面線量を測定したところベータ線で毎時50ミリシーベルトを計測した。
東電によると、塩分を除去する装置を通した汚染水を別のタンクへポンプで移送しようとした際、その途中にある弁が開いていたことから、移送先として想定していなかったH6のタンクに誤って流れ込んだとみられる。漏洩は、20日午前5時40分に弁を閉じると停止した。
移水配管とH6をつなぐ弁は3カ所。うち2カ所は本来閉じられているはずだったが、今回は開かれたままとなっていた。残り1カ所は閉じられていたが、水を通していることから故障していたとみられる。
事態を受け、原子力規制庁は20日、東電に早急に漏洩防止や汚染範囲の特定を指示した。