2014年11月5日水曜日

福島富岡町最終処分場暗礁に|栃木馬頭最終処分場 地元反対|福島県中間貯蔵施設 来年1月搬入は無理|釧路の地層処分 反対の声

 政府が富岡町に受け入れを求めている、放射性物質を含む稲わらなどのごみを埋め立てる最終処分場の計画が暗礁に乗り上げています。同町の未来なくなる 地元民が強く反発しているためです。
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 栃木県馬頭最終処分場の説明会に集まった約百十人の住民からの質疑の多くは「建設反対」が前提の内容で、依然として反対論が根強いことが明らかになりました。
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 (福島)県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の建設をめぐり、
候補地の大熊、双葉両町の地権者との交渉が前進するめどが立たないため、来年1月とした施設への搬入開始は無理となりました。
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 高レベル放射性廃棄物の地層処分について理解を深めてもらうシンポジウム「地層処分を考える」釧路市で開かれました。シンポにはこれまでで最多の113人が出席しましたが、根釧海岸地域について、地震の多発地域として適さないという意見など、事業そのものを不安視する声が続出しました。 
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最終処分場計画 暗礁に
朝日新聞 2014年11月4日
●富岡町の「フクシマエコテック」
 政府が富岡町に受け入れを求めている、放射性物質を含む稲わらなどのごみ(指定廃棄物)を埋め立てる最終処分場「フクシマエコテッククリーンセンター」の計画が暗礁に乗り上げている。同町の住民の反対が強いためだ。
 
●「未来なくなる」 地元反発強く
 政府は放射性物質を含むごみのうち1キログラムあたり10万ベクレルを超えるものと除染土については、大熊・双葉両町に中間貯蔵施設を造って埋め、30年以内に県外に搬出する。県が9月に建設計画の受け入れを決めたため、政府は今後、地権者との間で土地の買い取り交渉に入る。
 これに対しエコテックは、1キログラムあたり10万ベクレル以下の廃棄物が受け入れの対象。東京電力福島第一原発から20キロ圏内で出た解体家屋のがれきや、事故当時に県内各地にあった稲わらなどが主なごみとなる。
 一見、こちらの方が放射性物質の濃度が低く受け入れやすいように思えるが、そう簡単ではない。最大の違いは、中間貯蔵施設で保管したごみはいずれ持ち出されるのに対し、エコテックへのごみは埋め立てて最終処分されることだ。
 「計画が通ったら、除染が終わっても若い人は帰ってこない。富岡の未来がなくなる」。6月、環境省が郡山市で開いた住民説明会で、農家の男性(76)は懸念の声を上げた。エコテックの施設は、富岡町内でも比較的、空間放射線量の低い避難指示解除準備区域にあることが気になる。
 
 この区域の生活圏は除染が2016年度中に終了する。「なぜ住民が帰れる場所に迷惑施設を置くのか。どうせなら帰れない場所に設けて欲しい」という本音を話す住民も。宮本皓一町長も「必要性は認めるが、なぜこの場所でなければいけないのか」と話す。
 施設が放射性物質を含んだごみ用に造られたものではないことも、住民の不安を呼んでいる。もとからあった産業廃棄物処分場の空いている部分を、指定廃棄物の埋め立てに転用する計画だからだ。
 政府は「10万ベクレル以下のごみであれば従来の産廃施設でも安全に処分可能」と評価する。だが、住民には安全性に懐疑的な見方が強い。同町の行政区長会の坂本寿昭会長(69)は「埋め立て後に施設の底で異常が見つかったら、対処しようがないのでは」と話す。
 6月の住民説明会後、町はこうした住民の疑問を改めて政府に投げかけたが、宮本町長は3日、取材に「国から明確な回答はないままだ」と話した。
 
 政府は今後、町議会の承認を得た上で再度、住民説明会を開き、計画への町側の合意を得たい考えだ。
 環境省の担当者も「ボールはこちら側にある。町議会や住民が納得してくれる落としどころを模索している」と話す。一方で「福島の指定廃棄物は他県より非常に多い。それを収容できる用地を新たに探す余裕はない」と、現実的な選択肢がエコテック以外にないことに頭を悩ませる。
 政府は、指定廃棄物の処分場を、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県にそれぞれ新たに造る計画だ。
 しかし、受け入れを打診された自治体はそれぞれ激しく反発し、先行きは見えない。政府はすでに施設があるエコテックを先頭に5県の計画を進めたいだけに、エコテック計画の成否が指定廃棄物問題の解決の鍵を握る、と見ている。
 
 
馬頭の産廃最終処分場 地元に根強い反対論 説明会に110人(栃木)
東京新聞 2014年11月4日
 馬頭最終処分場の整備計画は、県が抱える懸案の一つ。住民説明会には福田富一知事や那珂川町の福島泰夫町長も出席し、資料を基に主な変更点や新たな設計案を説明した。ところが、約百十人が集まった会場で、参加者からの質疑の多くは「建設反対」が前提の内容。依然として反対論が根強いことをうかがわせた。
 
 参加者からは、遮水シートの安全性への疑問や、地盤への不安を訴える発言が続出。北沢不法投棄物の撤去と処分場の整備は分けて考えるべきだといった意見も出た。
 これに対し、県側は自然災害が起きた場合のリスクなどを引き合いに、早期に処分場を整備する必要性を強調。「クローズド型」への変更で安全性が向上することを説明、理解を求めた。終了後に福田知事は「反対する人はまだまだいるが、理解促進に向けて今後も町とともに取り組む」と明言した。
 参加者の一人で、処分場建設に反対する住民団体「那珂川町の自然と環境を守る会」の小林盛会長(64)は「北沢不法投棄物を持ち出して住民不安をあおるやり方は納得できない。今後も反対の声を上げていく」と語った。
 
 
中間貯蔵15年1月搬入「難しい」 政府、目標断念の見方
福島民友ニュース 2014年11月4日
 (福島)県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の建設をめぐり、政府内で、来年1月とした施設への搬入開始を断念せざるを得ないという見方が強まっている。建設候補地の大熊、双葉両町の地権者との交渉が前進するめどが立たず、あと2カ月に迫っても建設用地を全く取得できていないためだ。
 環境省は「最大限努力する」と繰り返すが、もはや目標達成は“風前のともしび”の状態。政府が現実路線にかじを切り、搬入開始の時期をいつまで先延ばしするのかが焦点となる。
 「来年1月(の搬入開始)というのはなかなか難しいだろうが、来年度からはどんどん運び込む」。川内村で2日開かれた公明党幹部の住民懇談会で、政府の原子力災害現地対策本部長の高木陽介経済産業副大臣は搬入が遅れる可能性に言及した。「3年」と約束した仮置き場の設置期限を守るよう住民が求めたのに対して答えた。さらに高木氏は環境省の所管としながらも「遅れたのは国の責任だ」と明言した。
 
 
不安の声、続出/放射性廃棄物の地層処分
 釧路新聞 2014年11月04日 
原子力発電環境整備機構(NUMO)は3日、高レベル放射性廃棄物の処分について理解を深めてもらうシンポジウム「地層処分を考える」を、釧路市生涯学習センターで開いた。釧路での開催は今年度全国で18カ所目で、都道府県庁所在地以外では初。これまでで最多の113人が出席し、パネル討論や質疑応答が行われたが、処分地の要件となっている地層が安定した地域と一部の学者が指摘した根釧海岸地域について、地震の多発地域として適さないという意見や慎重な議論を求めるものなど、事業そのものを不安視する声が続出した。