2014年11月20日木曜日

2号機トレンチの水位上昇|茨城県知事 川内はモデルにならぬ|宮城最終処分場 調査来春以降|浪江のコメ 環境省他の食堂へ

 福島原発2号機の海側トレンチ投入したセメントなどの止水材の効果を検証している東電は18日、トレンチ内の水位が17日に比べ約12センチ上昇したことを明らかにしました。建屋からトレンチ内への汚染水の流入が止まらず、止水材を投入しても仕切りが出来ていない可能性があります。
◇      ◇
 東海村東海第二原発を有する茨城県の橋本知事は、18日、「安全を国として確約し、地元が賛成なら再稼働」は私の考えに沿っている、地元の範囲は「地域によって事情は異なるにしても、ある程度のルールはあっていい」とし、立地自治体に限定した川内原発はモデルにしないと述べました。
◇      ◇
 望月環境相は18日、宮城県の指定廃棄物の最終処分場建設に向けた3候補地でのボーリング調査について、積雪の影響から、当初予定していた年内の着手を見送る考えを明らかにしました。
◇      ◇
 福島県浪江町で、原発事故後、初めて収穫されたコメが、環境省厚生労働省の食堂で19日から提供されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トレンチの水位が上昇 東電2号機、止水材の効果不透明
福島民友ニュース 2014年11月19日
 東京電力福島第1原発2号機の海側トレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)とタービン建屋の接続部に投入したセメントなどの止水材の効果を検証している東電は18日、トレンチ内の水位が17日に比べ約12センチ上昇したことを明らかにした。止水材を投入しても建屋からトレンチ内への汚染水の流入が続いている可能性がある。
 東電によると、止水材の効果を確認するため17日にトレンチ内の汚染水約200トンを抜いた後の水位は約2メートル76センチで、抜く前と比べて約21センチ低下。しかし、18日午前7時現在の水位は2メートル88センチと約12センチ上昇した。
 東電は「タービン建屋から汚染水が流れている可能性のほか、トレンチの亀裂などから地下水が流入している恐れもある。現時点で止水材の効果の有無は判断できない」として水位監視を続ける。
 トレンチには建屋から流入した約5000トンの高濃度汚染水が滞留し、海に流出するとの懸念が根強い。止水材を投入することで、東電は建屋とトレンチ内の水の行き来を止めたい考えだが、効果が不透明な状況が続いている。
 
 
川内「モデルにならぬ」 原発再稼働手続きで知事茨城
東京新聞 2014年11月19日
 再稼働に同意を求める地元の範囲が問題になった九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)について、橋本昌知事は十八日の定例会見で「モデルになるとは考えにくい」と述べ、地元の範囲は国や地元の意向を踏まえて検討する、との考えを示した。
 
 川内原発の再稼働は、鹿児島県と立地する薩摩川内市が同意し、三十キロ圏の他自治体は協議の対象に含まれていない。県内では、日本原子力発電(原電)東海第二原発(東海村)の三十キロ圏にある水戸市など十五自治体が、原電に安全協定を結ぶ自治体や権限の拡大を求め、十二月三日に新組織を設立する。
 橋本知事は、今回の川内原発の地元同意について「安全を国として確約し、地元が賛成なら再稼働、という私の考えに沿っている」としながらも、地元の範囲は「地域によって事情は異なるにしても、ある程度のルールはあっていい」と考えを述べた。
 その上で「国として方向を出すべきだ。県としては、国や十五自治体の会合の結果を見て、判断していきたい」と話した。 (宮本隆康)
 
 
宮城最終処分場 掘削調査は来春以降に
河北新報 2014年11月19日
 望月義夫環境相は18日の閣議後の記者会見で、福島第1原発事故で発生した宮城県の指定廃棄物の最終処分場建設に向けた3候補地でのボーリング調査について、積雪の影響から、当初予定していた年内の着手を見送る考えを明らかにした。
 望月氏は「ことしは早く積雪があったと聞いている。来年春の雪解けを待って3カ所で実施可能となり次第、速やかに開始したい」と述べ、調査開始が来春以降になるとの見通しを示した。来年3月としていた処分場の完成は大幅に遅れる見込みになった。
 候補地の一つを抱える加美町で強硬な抗議を受けて調査の準備作業に着手できず、同時着手を求める栗原市、大和町でも作業が進んでいなかった。重機を使用しない現地調査については可能な範囲で実施するという。
 加美町の猪股洋文町長は取材に「地元自治体と町民の理解なく強引に進めることに問題がある。これを機に国は一度立ち止まって、各県処理の方針を見直すべきだ」と話した。
 同町は14日、候補地の田代岳に向かう町道を積雪のため通行止めにした。例年、5月の連休ごろに規制解除している。
 
 
浪江町で原発事故後初収穫のコメ、環境省などの食堂で提供 
TBS 2014年11月18日
 福島県浪江町で、原発事故後、初めて収穫されたコメが、環境省などの食堂で19日から提供されています。
 
  「じゃあ“食わっせ”。おいしい!」(望月義夫環境相)
 提供されたのは、除染が終わった浪江町の田んぼで今年、試験栽培されたコシヒカリです。原発事故ですべての住民の避難が続く浪江町でコメが収穫されるのは、原発事故後、初めてで、放射性物質は検出されなかったということです。
 収穫されたコメは19日から環境省と厚生労働省の食堂で提供されていて、避難先から通ってコメを育てた農家の松本さんは、「みんなに食べてもらえてうれしい」と話していました。