2014年11月9日日曜日

津田岡山大教授が100ミリSv以下でもがんは増加すると

 6日夜、宇都宮市の栃木県総合文化センターで津田敏秀・岡山大大学院教授(環境医学)が講演しチェルノブイリの原発事故後のデータなどを基に、国の有識者会議などが支持している「(累積で)100ミリシーベルト以下の被ばくでは、がんの増加が確認されていない」という見解を否定しました。
 また、世界保健機関(WHO)が2013年の報告書で、福島県で甲状腺がんや白血病が増える可能性があると予想していることも明らかにし、「こうした事実が知られていないため、放射線から身を守るための建設的な議論がストップしている」と警鐘を鳴らしました。
 講演は「日本公衆衛生学会」(日)の自由集会内で行われました。
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原発事故の健康影響「検査態勢の充実必要」 国見解否定の津田教授講演
東京新聞 2014年11月8日
 東京電力福島第一原発事故後の健康影響を考える集会が六日夜、宇都宮市の(栃木)県総合文化センターで開かれ、「ただちに健康影響はない」とする政府見解に異を唱えてきた津田敏秀・岡山大大学院教授(環境医学)が講演した。県内外の医療関係者や放射線に関心がある市民ら約六十人が耳を傾けた。
 
 講演は、全国の医師や研究者が集まる「日本公衆衛生学会」(五~七日)の自由集会内で行われた。津田教授は、疫学の専門家である立場から、チェルノブイリの原発事故後のデータなどを基に、国の有識者会議などが支持している「(累積で)一〇〇ミリシーベルト以下の被ばくでは、がんの増加が確認されていない」という見解を否定した。
 世界保健機関(WHO)が二〇一三年の報告書で、福島県で甲状腺がんや白血病が増える可能性があると予想していることも報告。「こうした事実が知られていないため、放射線から身を守るための建設的な議論がストップしている」と警鐘を鳴らした。
 福島県に隣接する栃木県についても「放射能は県境で遮断されたわけではない」と、検査態勢を充実する必要性を主張。健診だけでは受診率が下がるため、全市民に手帳を配布するなどして、経過を記録しやすくする方法を提案した。 (大野暢子)