2014年11月16日日曜日

汚染水がまだ遮断できないのに 本工事は簡略にと

 福島原発2号機建屋海側のトレンチに建屋からの汚水が流入するのを遮断するための『氷の壁』がいつまでも凍らないため、ついには氷の壁の開口部に止水材を投入しのですが、それでも11月中旬段階で遮断できていないことが明らかになりました。残る方法はセメントで埋めることなのでその成否が注目されます。
※ 11月2日 トレンチの氷の壁を断念 コンクリートで封鎖へ 
 
 ところが東電は本体工事の凍土壁の構築に当たって、地盤を凍らせる装置の数を減らすことで工期をおよそ20日間短縮することを決めたということです。これは当初は1mピッチで敷設する計画であった凍結管(約30m長)のピッチをもっと粗くするもので、実験でそれが可能なことを確認済みであるということです。
 
 東電がどういう実験をしたのか明らかではありませんが、地下水の流動を阻止するための凍土壁ですから流動のあるところで実験する必要があります。
 僅かな流動があるせいぜい数m角のトレンチの壁でこれだけトラぶっているのに、30m深さで周囲長さ1500mの凍土壁がそんなに簡単に「完全に凍る」とは思われません。それにいまさら工期を20日短縮する必要もありません。むしろ工期が延びてもより確実な方法をこそとるべきではないでしょうか。経費の節減が真の理由ならとんでもないことです。
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汚染水遮断できない可能性も 福島第一原発
NHK NEWS WEB 2014年11月14日
東京電力福島第一原子力発電所で「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに建屋から高濃度の汚染水が流れ込んでいる問題で、流れをせき止める工事が終わったあとも建屋とトレンチの水位が連動していることが分かりました。東京電力は「汚染水を遮断できていない可能性がある」として対応を検討しています。
 
福島第一原発では、高濃度の汚染水が建屋から「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込み、ここから一部が漏れ出して地下水を汚染しているとみられています。
このため東京電力は、トレンチから汚染水を抜き取ってセメントで埋める計画で、4月以降、一部の汚染水を凍らせたり氷の隙間を埋めたりして、流れをせき止める工事を続けてきました。
この工事は今月6日に終わりましたが、東京電力が調べたところ、その後も建屋内とトレンチ内の水位が連動していることが分かりました。
東京電力は「汚染水の流れが遮断できていない可能性がある」としたうえで、地下水の流入の影響も調べることにしていますが、今後もこの状態が続けば、汚染水の抜き取りが完了するのを待たずにセメントを流し込む可能性もあるとしています。
一方、トレンチの対策が遅れているため、汚染水対策の柱として建設が進められている「凍土壁」も、トレンチ周辺の工事ができない状態が続いています。
 
こうしたなか東京電力は、地盤を凍らせる装置の数を減らすことで工期をおよそ20日間短縮することを決めました。東京電力は「装置の数を減らしても凍土壁に影響がないことは実験などで確認している」としています。