NHKは、先月31日から4日間、「薩摩川内市」とその「周辺地域」、さらに「福岡市」と「全国」の4地域で、川内原発再稼働に関する世論調査を行いました。
その結果は、川内原発の再稼働については、地元・薩摩川内市では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が49%で、「反対」「どちらかといえば反対」が44%でした。
周辺地域では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が34%、「反対」「どちらかといえば反対」が58%、
福岡市では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が37%、「反対」「どちらかといえば反対」が52%、
全国では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が32%、「反対」「どちらかといえば反対」が57%
と立地自治体(薩摩川内市)以外では、いずれも反対が賛成を大幅に上回りました。
再稼働に賛成する理由は、薩摩川内市では、「地域の経済の活性化」が43%と最も多く、次いで「電力の安定した供給」が32%でした。
これに対して、周辺地域、福岡市、全国では、「電力の安定供給」が最も多くなりました。
原発事故の被害は、言うまでもなく立地自治体(市)にとどまるものではありません。
以上の結果は、原発の立地市が周辺地域の住民の反対を押し切る形で再稼動を進めていることを明らかにしています。地域エゴといわれても仕方がありません。
また政府が再稼動の同意の範囲を立地自治体に限定している理由も、このことを良く承知しているからに他なりません。
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川内原発再稼働 世論調査の賛否は
NHK NEWS WEB 2014年11月7日
NHKが行った世論調査で、鹿児島県にある川内原子力発電所の再稼働について尋ねたところ、地元・薩摩川内市では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が49%で、「反対」「どちらかといえば反対」が44%でした。
一方、全国では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が32%で、「反対」「どちらかといえば反対」が57%でした。
NHKは、先月31日から4日間、「薩摩川内市」とその「周辺地域」、さらに「福岡市」と「全国」の4地域で、20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行い、調査の対象になった人のうち、およそ67%の人から回答を得ました。
この中で、川内原発の再稼働について尋ねたところ、▽地元・薩摩川内市では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が49%、「反対」「どちらかといえば反対」が44%でした。
一方、▽いちき串木野市や出水市など周辺地域では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が34%、「反対」「どちらかといえば反対」が58%でした。
▽福岡市は、「賛成」「どちらかといえば賛成」が37%、「反対」「どちらかといえば反対」が52%。
▽全国では、「賛成」「どちらかといえば賛成」が32%、「反対」「どちらかといえば反対」が57%でした。
次に、再稼働に賛成する人にその理由を聞いたところ、薩摩川内市では、「地域の経済の活性化」が43%と最も多く、次いで「電力の安定した供給」が32%でした。
これに対して、周辺地域、福岡市、全国では、「電力の安定供給」が最も多くなりました。
一方、再稼働に反対する人の理由は、薩摩川内市、周辺地域、福岡市、それに全国のいずれも「原発の安全性への不安」が最も多くなりました。
東京電力福島第一原発の事故後に作られた新しい規制基準に適合した原発でも、住民が避難するような事故が起きるおそれがあると思うかどうか聞いたところ、薩摩川内市では「大いにあると思う」「ある程度あると思う」が72%だったのに対し、「ほとんどないと思う」「まったくないと思う」は21%でした。
事故のおそれについては、再稼働に「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人でも、半数以上の56%が「大いにあると思う」「ある程度あると思う」と答えています。
今回の世論調査の結果について、科学技術政策や合意形成に詳しい東京大学公共政策大学院の松浦正浩特任准教授は「地元の再稼働賛成の人でも、事故が起きる可能性が一定程度あると思う人が半数以上いるのは、リスクを認識したうえで意見を表明していると考えられるが、裏を返してみると、住民は経済活性化のため、不安だけれど再稼働を受け入れざるをえない状況に置かれている可能性がある。住民が不安を抱えているのは、説明を受けたうえで住民の意見を聞くというステップがきちんと踏めていないことも要因で、政府や地元行政はより丁寧な説明や議論の場を作る必要がある」と話しています。