島根大の研究グループは4日までに、島根原発(松江市)から30キロ圏の米子市の市民を対象に、原発への不安や避難計画への考えのほか、男女の在り方や家族観なども設問に加え、原発への態度の男女比較や、態度の背景にある意識を調べました。
その結果、女性の方が原発反対が多く、女性で反対を選択した人について、「男は男らしく」「女は女らしく」「子は親に絶対従う」といった家父長制家族観を否定する傾向が強いことが分かりました。
また男性については、「競争肯定」の意識が原発賛成を促す傾向がある半面、「格差意識」が高い人は原発反対の傾向が強いと分析しました。
島根大学の研究グループは今後、松江市でも同様の調査を実施する予定です。
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「原発反対」女性が多く 島大が米子市民意識調査
日本海新聞 2014年11月5日
島根大法文学部の研究グループは4日までに、島根原発(松江市鹿島町)から30キロ圏の米子市の市民を対象に原発への意識調査を行った結果、原発に反対の意見は男性より女性の方が多く、「家父長制家族観」の否定が反対に結び付く傾向が強いなどとするユニークな分析をまとめた。
調査は法文学部の片岡佳美准教授(社会学)や同学部の研究グループが2~3月に実施。選挙人名簿から無作為抽出した1492人に郵送で用紙を送り、706人(回収率47・3%)から回答を得た。
原発への不安や避難計画への考えのほか、男女の在り方や家族観なども設問に加え、原発への態度の男女比較や、態度の背景にある意識を調べた。
原発への態度は男性の50・7%、女性の56%が「反対」だった。研究グループは女性で反対を選択した人について、「男は男らしく」「女は女らしく」「子は親に絶対従う」といった家父長制家族観を否定する傾向が強いとした。
一方、男性については、「競争肯定」の意識が原発賛成を促す傾向がある半面、「格差意識」が高い人は原発反対の傾向が強いと分析した。
片岡准教授は「産業中心の社会への揺らぎが原発に反対する人の意識にあり、それが出ているのでは」と話している。
研究グループは今後、松江市でも同様の調査を実施する予定。