原子力規制委が新規制基準に適合していると判断した九電川内原発(1、2号機)について、再稼働を批判する約1400人が行政不服審査法に基づき、許可の取り消しを求める異議申し立てをしました。
規制委が12日、発表しました。
許可取り消しを求める理由として、「最大規模の地震による揺れの想定や、重大事故の対策に問題があるにもかかわらず許可が行われた」、「住民の避難計画の実効性を確認しないことは、人と環境を守るという規制委員会の組織理念に反する」、「規制委が東京電力福島第1原発事故の真相解明をせずに新規制基準の作成と審査を優先した」などが挙げられています。
規制委は申し立てを受理し、今後、住民らが意見を述べる機会を設けるとともに、申し立ての内容を検討することにしています。
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再稼働同意 1400人取り消し求め申し立て
NHK NEWS WEB 2014年11月12日
地元の鹿児島県が再稼働に同意した川内原子力発電所について、原子力規制委員会が審査に合格したとして出した許可を巡り、これまでに1400人余りが取り消しを求める申し立てを行い、規制委員会は申し立てをした人が意見を述べる場を設けることにしています。
原子力規制委員会はことし9月、川内原発の安全対策が新しい規制基準に適合しているとして、再稼働に必要な「設置変更許可」を出しました。
これについて、これまでに地元の住民をはじめ全国の1400人余りが行政不服審査法に基づき許可を取り消すよう求める異議申し立てを行ったことが、12日の規制委員会で報告されました。
申し立てで住民らは「最大規模の地震による揺れの想定や、重大事故の対策に問題があるにもかかわらず許可が行われた。住民の避難計画の実効性を確認しないことも、人と環境を守るという規制委員会の組織理念に反する」などと主張しているということです。規制委員会では、川内原発に出した許可は十分な審査を尽くした結果だとしていますが、申し立てを受理し、今後、住民らが意見を述べる機会を設けるとともに、申し立ての内容を検討することにしています。
一方、川内原発を巡っては、規制委員会による設備の詳しい設計の審査や新しい設備の検査といった手続きが残されているため、九州電力が目指す再稼働は年明け以降になる見通しです。
川内原発:1400人が異議申し立て
毎日新聞 2014年11月12日
原子力規制委員会が新規制基準に適合していると判断した九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の原子炉の設計変更許可について、再稼働に批判的な立場の計約1400人が行政不服審査法に基づき許可の取り消しを求める異議申し立てをした。規制委が12日、発表した。川内原発の許可への異議申し立ては初めて。規制委は今後、内容の審理をする。
規制委によると、申し立ての代表は3人だが、具体的な名前などは非公開。異議申し立て書によると、許可取り消しを求める理由として、規制委が東京電力福島第1原発事故の真相解明をせずに新規制基準の作成と審査を優先した▽避難計画の実効性を確認していない−−などを挙げている。【鳥井真平】