安倍首相は、今回の衆院選は「アベノミクスの是非を問うもの」と位置づけたようですが、実際に与党で過半数を獲得すれば、選挙で信任されたとして原発の再稼動に邁進することは目に見えています。
河北新報が衆院選における各党の選挙公約を整理して表にまとめました。
各党の公約の概略が分かりますので紹介します。
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(衆院選) 原発政策 各党公約出そろう
河北新報 2014年11月29日
衆院選(12月2日公示、14日投開票)で主要政党が掲げる原発政策の公約が出そろった。各党とも福島第1原発事故を踏まえ、原発再稼働の是非や目指す方向性を示したものの、「核のごみ」の最終処分を含む核燃料サイクル政策への言及は有無が分かれた。
各党の公約は表の通り(末尾に添付)。
原発政策は「依存度を可能な限り低減」(自民党)、「2030年代の稼働ゼロ」(民主党)、「新設は認めない」(公明党)など、将来的に原発依存から脱却し、原発比率を下げる方向性は各党で共通だった。共産党と生活の党、社民党は、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査中の原発を含め、再稼働を認めないと明記した。
ただ、自民党は唯一、原子力を「重要なベースロード電源と位置付け、活用する」と併記。脱依存なのか推進なのか、スタンスの曖昧さに有権者が戸惑う可能性がある。
一方、青森県六ケ所村で計画されている使用済み核燃料の再処理や、高レベル放射性廃棄物の最終処分など、原発稼働と切り離せない関係にある核燃料サイクル政策には、自民、民主、生活の各党が言及していない。
維新の党と共産、社民は、サイクルの廃止や撤退を明記。公明は使用済み核燃料の直接処分も視野に見直しを検討し、処分地の見通しが立たない高レベル廃棄物の最終処分も「解決の道を検討する」とした。次世代の党も「サイクルと、最終処分場の選定問題に具体的な結論を出す」と踏み込んだ。
各党の公約について、元経済産業省職員で、NPO法人社会保障経済研究所(東京)の石川和男代表は「原子力政策はフロントエンド(燃料製造-発電)とバックエンド(再処理-廃棄物最終処分)の両方がないと不完全。政権担当経験があり、バックエンド政策の難しさを知る自民や民主は公約に書きにくかったのだろう」と分析。「政策実施に伴うコストなど国民に耳障りな部分は各党とも触れていない」と物足りなさを指摘した。
政策の具体的な工程や実施に伴うマイナス面への対策といった判断材料がないと有権者も賛否を示しづらいのは事実。論戦では、各党がより具体的に政策を提示し、議論する必要がありそうだ。