最終処分場建設に関する栃木県内の首長と望月環境相の会合が9日開かれ、望月氏は「福島にこれ以上の負担を強いることは理解が得られない。栃木県内処理の考え方を見直すことはない」と述べました。見形 塩谷町長は「汚染を拡散させず、福島原発周辺に処分場を設置すべきだ」として、候補地の白紙撤回を求めました。
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最終処分場候補地となった栃木県塩谷町の住民が、宇都宮市内で大規模な反対デモを行い、放射性廃棄物を拡散して管理するのではなく、福島第一原発の周辺で集中して管理するよう求めました。宮城県の加美町も同様の主張をしています。
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全町避難が続く福島県の浪江町と富岡町を対象にした住民意向調査で、町に「戻らない」と回答した人が浪江町で48・4%に上り、1年前の前回調査から10・9ポイント増えました。富岡町では「戻らない」と回答した人が49・4%で、前回から3・2ポイント増えました。戻らない理由は、両町とも医療環境の不安が最も多く、原発の安全性への不安などが続いています。
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環境相「栃木県内処理見直さず」 指定廃棄物処分で会合
東京新聞 2014年11月9日
東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場建設に関する栃木県内の首長と望月義夫環境相の会合が、9日、宇都宮市で開かれた。望月氏は「福島にこれ以上の負担を強いることは理解が得られない。県内処理の考え方を見直すことはない」と述べ、候補地に選んだ栃木県塩谷町の詳細調査に理解を求めた。
一方、建設に反対している見形和久塩谷町長は「処分場は町の存続の危機だ。汚染を拡散させず、最も汚染されている地域で集中処理すべきで、福島第1原発周辺に処分場を設置すべきだ」として、候補地の白紙撤回を求めた。 (共同)
「最終処分場にNO!」 栃木・塩谷町で住民デモ
テレビ朝日 2014年11月9日
原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場候補地となった栃木県塩谷町の住民が、宇都宮市内で大規模な反対デモを行い、国の姿勢を厳しく批判しました。
国は、栃木、宮城など5つの県で最終処分場を造る構えですが、塩谷町は放射性廃棄物を拡散して管理するのではなく、福島第一原発の周辺で集中して管理するよう求めています。
塩谷町の住民:「全国に拡散してもしょうがない。1カ所で処理してほしい」「責任をすべて地方に丸投げしているような気もしないことはない」
宮城県での候補地に指名された加美町も同様の主張をしていて、反対運動は拡大する傾向を見せています。
望月環境大臣:「各県における指定廃棄物の処理を速やかに進めるべく取り組みを進めているが、各県にご負担をおかけすることになる」
これに対して国は、あくまで各県で最終処分場を造るよう説得するとしていて、この後開かれる会議でも、同様の説明を繰り返すものとみられます。ただ、原理原則を繰り返すばかりでは地元の理解を得るのは難しい局面となっていて、かえって国の無策ぶりを露呈する会議になりかねません。 (社会部・吉野実記者報告)
「浪江に戻らぬ」2桁増48%…医療環境に不安
読売新聞 2014年11月10日
東京電力福島第一原発事故で全町避難が続く福島県の浪江町と富岡町を対象にした住民意向調査で、町に「戻らない」と回答した人が浪江町で48・4%に上り、1年前の前回調査から10・9ポイント増えたことがわかった。
調査は、原発事故の被災自治体と復興庁、県が共同で実施している。今年8月、浪江町と富岡町の全世帯を対象に行い、回収率は浪江町が59・5%、富岡町が51・2%だった。
帰還の意向について、浪江町では特に20~30歳代で「戻らない」という回答が多く、20歳代は65・5%、30歳代は64・4%を占めた。「戻りたい」と答えた人は全体で17・6%と、前回より1・2ポイント減った。20歳代は3・4%、30歳代は7・2%と1桁台にとどまった。
富岡町では「戻らない」と回答した人が前回比3・2ポイント増の49・4%、「戻りたい」は同0・1ポイント減の11・9%だった。戻らない理由は、両町とも医療環境の不安が最も多く、原発の安全性への不安などが続いた。
災害公営住宅(復興住宅)への入居を希望する人の割合は、富岡町が21・5%、浪江町が24・8%、希望しないという回答はそれぞれ54・7%と46・3%で、約半数に上った。