2014年11月23日日曜日

福島原発 トレンチはセメントで閉鎖 2号機は来月下旬に状況確認

 21日の原子力規制委員会の検討会で、福島原発のトレンチ内を仕切る方法として、汚染水が残った状態のまま特殊なセメントを流し込んで埋めることまりました。
 2号機建屋からのトレンチ(=構造上はトンネル)については月内に作業を開始して、12月下旬に閉止できたのかを確認するということです。
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セメントで閉鎖、月内開始 福島第一、来月下旬に状況確認
東京新聞 2014年11月22日
 東京電力は二十一日、高濃度汚染水がたまる福島第一原発の地下トンネルを、内部に汚染水が残った状態のまま特殊なセメントを流し込んで埋めることを決めた。月内に作業を始め、十二月下旬に原子力規制委員会の検討会で、きちんと閉鎖できたかどうかチェックする。うまくいけば、2号機のトンネルだけで五千トンある汚染水が海に流出するリスクが大幅に減る。
 
 新たな作業では、汚染水を抜き取りながら特殊なセメントを注入し層を重ねる。年内にトンネル本体を埋める作業を終え、年明けから来年三月にかけ、四カ所の立て坑部分も埋める。
 トンネル対策ではこれまで凍結止水を試み、作業員が被ばくと闘いながら二十四時間態勢で氷を投入。汚染水を冷やし、凍結管で建屋との接合部を凍らせ、汚染水を抜いた後に埋める計画だった。だが、凍結がうまくいかず、水中で薄く広がる特殊なセメントが開発されたこともあり、従来の工法を断念した。
 
 二十一日の検討会では、専門家から「トンネルの底には津波時の砂がたまっており、セメントが固まった後の水の通り道にならないか」などの懸念も出た。ただ、トンネルの水抜きが進まないと、税金を投入して進行中の凍土遮水壁が完成しない。規制委の更田(ふけた)豊志委員は「特殊なセメントが開発されたことで、凍結止水の役割は終わった。次のステップに進む」と締めくくった。
 
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