中電は27日、浜岡3号機用の「フィルター付きベント」を構内に運び込みました。浜岡原発は沸騰水型の原発なので「フィルター付きベント」の設置が義務付けられています。
サイズは直径約5m高さ約11mで、放出する放射性物質は千分の1以下に抑えられるということです。海外では放出量を1万分の1以下にするのが普通で、設備の規模も5階建てのビル並みと言われています。それに比べると日本のフィルターは随分とチャチなものです。
追記 柏崎刈羽原発でも、「フィルター付きベント」の計画に当たり当初は放出量を千分の1に抑えるということでスタートしましたが、過酷事故時の放射能の拡散状況をシミュレーションするに当たり、仮定された放出量はなんと「6分の1」という桁外れの量に増えていました。どういう経過でそんな貧弱なことになったのかは不明で、大いに問題にされるべきことです。
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「ベント」3号機に搬入 28日から据え付け工事
静岡新聞 2016年1月28日
中部電力は27日、原子力規制委員会の適合性審査を受けている浜岡原発3号機(御前崎市佐倉)に設置する事故対策装置「フィルター付きベント(排気)」を、構内に運び込む様子を報道陣に公開した。
中電によると、ベント設備は原発の新規制基準で設置が義務付けられている。3号機用は金属製の筒型で直径約5メートル、高さ約11メートル、重さ約95トン。原子炉建屋付近の地下34メートルに設置する。重大事故で原子炉格納容器内の圧力が高まった際、ベント設備を介して排気することで、放射性物質を取り除きながら内部の圧力を下げ破損を防ぐ。放出する放射性物質は千分の1以下に抑えられるという。
横浜市内のメーカーで製造した。御前崎港に陸揚げされ、特殊車両で慎重に運んだ。28日に据え付け工事に入り、来年9月ごろの完成を目指す。先行して適合性審査を受けている4号機のフィルター付きベントは、ことし9月末に設置が完了する見込み。
構内に運び込まれた3号機用のフィルター付きベント=27日午後、御前崎市佐倉の浜岡原発