日本の政府や原子力ムラは原発の再稼働には非常に熱心ですが、装置の安全性やとりわけ原発のテロ対策には無関心であって、何の対策もしていません。
そういう国が中東などのテロ頻発地域に安易に原発を売り込むのは、ソフト・ハードの安全対策が伴わないのでテロの火種を拡大することになりかねません。
また人材も技術も乏しい発展途上国に原発を売り込むことも、ヒューマンエラーが起きやすくて日本で稼働するよりもはるかに危険です。
安倍政権は原発の売り込みに熱心ですが、そうした視点が欠落していては問題であり過ぎるということになります。
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安倍政権の「中東・途上国への原発輸出」がテロの火種を拡大する!?
SPA!!2016年1月4日
もうすでに手遅れなのか? それとも、今ならまだ間に合うのだろうか? 人類滅亡につながりかねない、人為的に引き起こされている“危機”の現状をリポートする!!
中東・途上国への原発輸出がテロの火種を拡大する!?
原発輸出を成長戦略に位置づける安倍政権は、首相自ら各国に売り込むほど積極的だが、元経産官僚の古賀茂明氏はこう批判する。
「フランスでの同時多発テロが起きたことで、世界各国で原発テロのリスクが高まっている。そんななかで安倍政権は、原発輸出を進めようとしています。日本よりもはるかに治安が悪い中東や途上国にどんどん原発が建設されていけば、すでに原発のある先進国以外の国もテロの対象になります。原発施設が襲われて核燃料が奪われ、核拡散を招く可能性も高まります」
安倍政権の原発輸出政策は確実に進んでいる。’13年10月、三菱重工業とフランスのアレバ社はトルコでの原発受注に成功。’14年4月には日本の原子力技術をトルコとUAE(アラブ首長国連邦)に輸出するための原子力協定も国会で承認され、旧ソ連圏のカザフスタンにも東芝グループが原子炉を納入する見通しになっている。
「原発関連の人材も技術も乏しい途上国で原発を動かすことは、日本で稼働するよりもはるかに危険。ヒューマンエラーで原発事故が起きて、それを収束させようとしたときにテロリストが攻撃を仕掛けることも考えられます。コンピュータや原発に詳しいインテリがイスラム国に入っているとの情報もありますが、サイバー攻撃を同時に仕掛けてくることもありえます。
それなのに、日本はほとんど原発テロ対策をやっておらず、計画されていたテロ対策も先送りにするほど。そんな国が中東や途上国に原発輸出をするのは、海外に原発テロのリスクをばら撒いているようなものです」(古賀氏) 取材・文・撮影/志葉 玲 横田 一