東京新聞 2016年1月6日
東京電力柏崎刈羽(かりわ)原発(新潟県)などで、原発の制御に使うケーブルの敷設方法が規制基準を満たしていなかった問題で、原子力規制委員会は六日、全ての原発について、ケーブルに問題がないかどうかの調査と報告を、電力会社に求めることを決めた。問題が解消されない限り、ほかの部分が基準に適合していても、再稼働は認めない。
原発と核燃料の再処理施設を持つ十二の事業者に対し、問題が見つかった場合の原因究明と再発防止策も合わせ、三月末までの報告を求めた。規制委の審査を通った四国電力伊方3号機も対象に含まれた。一方、既に再稼働した九州電力川内(せんだい)1、2号機は敷設方法を確認したとして、審査を通った関西電力高浜3、4号機は最終的な検査で確認中として、対象から外した。
これまでに問題が見つかったのは、柏崎刈羽の七基全てと、東電福島第二3、4号機、中部電力浜岡4号機、北陸電力志賀1号機、東北電力女川3号機、東通1号機の六原発十三基。
原発の新しい規制基準では、原子炉の水位管理や注水操作に使う安全設備関連のケーブルは、火災が起きても類焼しないよう、他のケーブルから隔離して敷設することを求めている。各原発では、他のケーブルと混在していたり、隔離用の板を貫通して別のケーブルが敷設されていたりしていた。