福島民友 2016年01月14日
自民党環境部会は13日、党本部に渡辺利綱大熊町長と伊沢史朗双葉町長を招き、地権者交渉が進まない中間貯蔵施設整備について地元が感じている問題点などを聞いた。渡辺町長は「苦渋の決断で受け入れを表明してから1年が経過したが、思うように進んでいない現状に地権者は不信感を持っている。地権者の個別の事情に向き合っているのか」と、環境省の対応に懸念を示した。
渡辺町長は「用地交渉が進んでいない状況を踏まえ、いつまでに中間貯蔵施設ができるのかロードマップを早期に示してほしい」とも訴えた。環境省の担当者は「どのぐらい用地を確保できるのかという、段階的な目標を示したい」と述べた。
一方、伊沢町長は「町内の山林などでは江戸時代から(所有者が)そのままになっているところもあり、相続者を全て追い掛けるのは不可能。何か特別な対応が必要だ」と、地権者確定が難しい土地の取り扱いについて環境省側に対応を求めた。
会合には鈴木光一大熊町議会議長と佐々木清一双葉町議会議長も同席した。このうち、佐々木議長は「そもそも環境省は、相続で、親族間で意見が異なる場合どうするのか、お墓を現地に残したい場合の対応など、住民が出した疑問や要望に応えていない。きちんと応える姿勢がほしい」と注文を付けた。