2016年1月3日日曜日

03- 原発事故5年 問われる住民帰還と復興の加速

NHK NEWS WEB 2016年1月2日
東京電力福島第一原子力発電所の事故からことし3月で5年となりますが、福島県では今も10万人余りが避難を続けています。ことしは、春に3つの市町村が避難指示の解除を目指していて、国や地元の自治体が放射線や生活環境への不安をどう解消し、住民の帰還や復興を加速させるのかが問われる年になります。
 
原発事故の影響で、福島県では今も9つの市町村に国の避難指示が出され、避難者の数は県内が5万7000人余り、県外が4万3000人余りで、合わせて10万1450人となっています。
避難指示の解除は、去年9月、役場とすべての住民が避難した自治体として初めて、楢葉町で実現したのに続いて、ことし春には、南相馬市と川俣町、葛尾村の3つの市町村で一部地域の解除を目指しています。
しかし、楢葉町に戻った住民は全体の5%ほどで、避難指示が解除されたあとも放射線による被ばくや、仕事や医療などの生活環境への不安が、住民の帰還の妨げとなることが明らかになってきています。
このほか福島県内では、除染で出た大量の廃棄物を保管する中間貯蔵施設の用地の確保が進まず、地権者2300人余りのうち、契約できたのが22人にとどまるなど、多くの課題が山積みとなっています。
 
震災と原発事故から5年となることしは、国や地元の自治体が、放射線の不安の解消や廃棄物の処理をどう進め、住民の帰還と復興を加速させるのかが問われる年になります。