新潟日報 2016年1月19日
柏崎市議会の原発調査特別委員会は18日、国の新規制基準と原発の安全性について学ぶ研修会を開いた。東京電力柏崎刈羽原発の安全性を議論する県技術委員会の委員を務める佐藤暁氏を招き、安全に対する考え方などについて意見を聞いた。
元原発技術者で原子力コンサルタントの佐藤氏は、柏崎刈羽原発など沸騰水型軽水炉の特徴や他国の設備との違い、各国の原子力の安全に対する考え方などについて紹介。「議員は難しい問題を考えないといけない立場だ」とした上で、「もし柏崎刈羽原発で事故が起きれば、福島(の事故前)と違い(リスクがあることは)『分かっていたはず』と言われる。将来の市民にも責任がある」と述べた。
佐藤氏は、新規制基準の目的を「重大事故を起こりにくくすることと、事故が起きた際に放射性物質が環境に出ることを抑制すること」と解説。新規制基準について「設備の安全性にはプラスになるが、(住民避難など)原子力安全の全領域をカバーしていない」と話した。