東電は昨年6月、昨年7月までの直近1年間の減収を基準に、原発事故と相当因果関係を認められる減収相当分として年間逸失利益の2倍を一括で請求者に払うものとし、対象者約1万3000件のうち約6000件で合意しました。
その一方で「これまで通りの請求資料では賠償が認められなくなった」、「賠償を認めないと電話で告げられた」など東電の対応に不満が出ているため、一斉請求に踏み切りました。
福島県の商工関係3団体は19日、東電に対して請求者への事前説明に基づいた賠償を確実に行うことや、相当因果関係の確認に際して幅広く柔軟な対応を取ること、相当因果関係を類型化し、積極的に開示することなど5項目を求め、確実な賠償を要求しました。
東電の賠償請求に対する高圧的な態度はいつも問題になっているところです。
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確実な賠償要求 県内商工3団体が東電に
福島民報 2016年1月20日
東京電力福島第一原発事故に伴う商工業者向けの営業損害の「一括賠償請求」をめぐり、県商工会連合会など県内商工関係3団体は19日、東電に確実な賠償を要求した。
一括賠償は昨年6月に東電が提示。昨年7月までの直近1年間の減収を基準に、風評被害など原発事故と相当因果関係を認められる減収相当分として年間逸失利益の2倍を一括で請求者に払う。
東電によると、対象者約1万3000件のうち昨年秋の受け付け開始以来約8000件の請求を受理し、約6000件で合意に至った。
一方、3団体は賠償を請求した会員から「これまで通りの請求資料では賠償が認められなくなった」「賠償を認めないと電話で告げられた」など、東電の対応に不満が出ているとして一斉要求に踏み切った。請求者への事前説明に基づいた賠償を確実に行うことや、相当因果関係の確認に際して幅広く柔軟な対応を取ること、相当因果関係を類型化し、積極的に開示することなど5項目を求めた。
要求書の提出は福島市のコラッセふくしまで行われ、県商工会連合会の轡田倉治会長と県商工会議所連合会の渡辺博美会長、県中小企業団体中央会の内池浩会長が東電の林孝之執行役員福島復興本社副代表に手渡した。非公開協議も行った。
轡田会長は協議終了後、報道陣に対し「各団体に苦情が寄せられている現状を理解してもらいたい」と趣旨を説明。内池会長は「請求手続きや基準の説明が不十分だ。改善を申し入れた」とした。
東電の担当者は「当初の説明が必ずしも十分ではなかった。理解いただけるよう努力する」としている。