新潟日報 2016年1月14日
東京電力の広瀬直己社長との5日の面会について、泉田裕彦知事は13日の記者会見で「会社のトップが(原発の)安全対策に責任を持てるかどうか、不安な状態だと受け止めている」と述べ、東電の組織の在り方をあらためて批判した。
泉田知事は「原発の安全対策に、広瀬社長自身が十分目を届かせることができていない印象をはっきり感じた」と述べた。
その上で知事は、福島第1原発事故の損害賠償訴訟で東電が津波高試算の提出を拒否したとする報道をめぐるやりとりを踏まえ、「(試算を)出すという明言もしなかった。情報開示という点でも課題を残した」と強調した。
知事は面会の際の広瀬社長の言葉を引き合いに、「福島事故の教訓に学べない組織は原発を動かす資格はないと、自ら言われている。まずは実践をしていただきたい」と注文した。
広瀬社長は「年始のあいさつ」として、5日に県庁で泉田知事と1年ぶりに面会。柏崎刈羽原発の安全対策などをアピールした。