2016年1月9日土曜日

09- 玄海も「免震棟」再検討 九電

 九電は昨年12月、川内原発での免震重要棟の新設計画を撤回していますが、玄海原発についても建設の是非を含めて再検討していることを明らかにしました。
 九電の山元春義取締役によれば、何と川内では免震重要棟の代わりに耐震支援棟を設置するということで、その方が安全性向上につながるからだということです。規制基準を上回る仕様にするというのであればその限りでは問題ありませんが、本当にそういう理由で一旦は計画した免震重要棟の新設計画を撤回したのか、そんなに安全を重視する会社であったのか、疑わしい話です。確か随分規模の小さいものにしたと聞きますが・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
玄海も「免震棟」再検討 安全性追求を強調 玄海町議会特委で説明
佐賀新聞 2016年01月08日
 九州電力の山元春義取締役(原子力推進統括)は7日、玄海原発(東松浦郡玄海町)に重大事故時の対応拠点として新設予定の「免震重要棟」について、建設の是非を含めて再検討していることを明らかにした。玄海町議会の特別委員会で「地盤の特徴などを踏まえ、安全性を向上するという目的で総合的に検討したい」と述べた。
 
 九電は昨年12月、川内原発(鹿児島県)での免震重要棟の新設計画を撤回している。玄海1号機の廃炉計画を説明した特別委の質疑で、議員が玄海での対応をただした。
 山元氏は、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)が免震重要棟の耐震性不足で新たに緊急時対策所を設置した例を挙げ、「福島でも有効だったが、国の厳しい審査基準となるとなかなか(揺れを軽減する)免震という技術ではクリアできない」と説明した。その上で、川内で免震重要棟の代わりに設置する耐震支援棟について「格納容器と同じ揺れに強い形式」と安全性向上につながるとした。
 
 議員からは、原子力規制委員会の田中俊一委員長が6日の会見で川内での新設撤回を疑問視したことを受け、「規制委員会と九電との信頼関係が崩れ、玄海3、4号機の審査や再稼働が遅れるのではないか」と懸念する声も出た。山元氏は「手抜きではなく、安全性を高めようとしているもの」と強調し、丁寧な説明を続けることを約束した。「気を引き締めて今後玄海3、4号機の準備を進めたい」と語った。
 
 免震重要棟は新規制基準で義務付けられてはいないが、東京電力福島第1原発事故で対応拠点として重要な役割を果たした。九電は2012年7月、玄海原発内に16年3月を目標に建設し、その中に緊急時対策所を設置する計画を示していた。すでに鉄筋コンクリート造り平屋建ての「代替緊急時対策所」を整備している。