経済同友会の朝田照男副代表幹事は22日のロイターとのインタビューで、政府が2030年度のベストミックス20~22%と想定している原発の比率について、現状を踏まえると10%の達成も危ういと述べました。
同時に、再生エネルギーを推進しなければ、日本が世界の笑いものになってしまうとして、太陽光などの再生可能エネルギー拡大に向けた民間投資を促すよう、政府の積極的な支援を求めました。
もともと原発比率20~22%は既設の全原発を再稼働した上に、稼働40年を迎えた老朽原発は作り直すか運転延長をしないと達成できない数値なので、仮に10%を切った場合でも既設の半数近い原発が再稼働している状態です。これではいつまた大事故が起きるか分かりません。ゼロであるべきです。
電気事業連合会の勝野哲会長は22日、共同通信のインタビューに応じ、2030年度の原発比率20~22%とする政府方針を達成するため「発電所の新増設や建て替えが必要だ」と語りました。
原発の稼働率をベストミックスに合わせるというのはそもそもが本末転倒の考え方で、福島事故前の原発全盛の状態に戻すということに他なりません(それを織り込むというのがベストミックスの主旨でした)。
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電源構成、原発比率10%達成も危うい 同友会副代表幹事
ロイター 2016年7月22日
[東京 22日 ロイター] 経済同友会の朝田照男副代表幹事(丸紅会長)はロイターとのインタビューで、政府が2030年度の望ましい電源構成(ベストミックス)で20~22%と想定している原子力発電の比率について、現状を踏まえると10%の達成も危ういと指摘した。
太陽光などの再生可能エネルギー拡大に向けた民間投資を促すよう、政府の積極的な支援を求めた。
同友会は6月28日に「ゼロ・エミッション社会」実現への提言を発表。その中で、原子力について、「40年廃炉ルール」を厳格に適用した場合、原発全基が再稼動しても政府目標の達成は難しく、「その発電割合は15%程度になる」との見通しを示している。
朝田氏は昨年、同友会の環境・資源エネルギー委員会委員長として同提言のとりまとめにあたった。インタビューの中で、朝田氏は福井県にある関西電力の高浜原子力発電所の1号機と2号機が40年超の運転を認められたことに触れ、「あのような運転延長を入れていかないと、原子力比率20%は達成しえない」と指摘。しかし、原子力規制委員会による新規制基準への適合可能性や司法判断による運転見合わせのリスクなどを考慮すると、「残念ながら、10%も行くかどうかという状況」と述べた。
一方、再生エネルギー開発については、日本のエネルギー産業で最大の成長分野でありながら、促進するには「障害が多すぎる」と指摘。具体的には、地熱、水力、風力発電に長期の環境アセスメントが必要になるという実態のほか、最大の問題として送電線の不備を挙げた。
朝田氏は、再生エネルギーを推進しなければ、「日本が世界の笑いものになってしまうという危機感を持っている」としたうえで、民間企業による投資への促進措置や送電線整備への政府や政府系ファンドからの資金支援を強く求めた。
インタビューは7月20日に行った。 (月森修)
原発の新増設必要、電事連会長 政府方針達成のため
東京新聞 2016年7月23日
電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は22日、共同通信のインタビューに応じ、2030年度の電源構成に占める原発比率を20~22%とする政府方針を達成するため「発電所の新増設や建て替えが必要だ」と語り、建設計画の前進に向け原発に対する信頼の回復に努めると強調した。
原発の新増設を巡っては、政府は東京電力福島第1原発事故後、明確な方向性を示しておらず、難しい状況が続いている。勝野会長は「今後、おのずと具体的な施策が出てくるだろう」と、議論の活発化に期待感をにじませた。