2016年7月14日木曜日

大飯原発の基準地震動 再計算の結果OK

 原子力規制委は13日、大飯原発(福井県)で想定される地震の揺れについて再計算し、最終的に決定された基準地震動を上回らない結果になったと公表しました。
 元委員長代理島崎邦彦・東京大名誉教授の指摘を受け、別の手法(武村式)で再計算した結果 最大の震動は644ガルとなり基準地震動856ガルを下回りました。当初計算値に対して十分な余裕を見たために、その範囲内に収まったものです。
 
 この結果について島崎氏は「私の問題提起に対し、時間や労力を費やして速やかに対応して頂いたことに深く感謝する」とコメントしまし(朝日新聞)。
   (関係記事)
6月30日 島崎・東大名誉教授「大飯原発の基準地震動過小の疑い」(詳報)
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「見直し不要」の計算結果を了承 規制委、大飯原発の基準地震動で
福井新聞 2016年7月13日
 原子力規制委員会は13日、定例会合を開き、過小評価の可能性が指摘された関西電力大飯原発(福井県おおい町)の基準地震動(耐震設計で目安とする揺れ)について、現状のまま見直す必要はないとした原子力規制庁の再計算結果を了承した。
 
 規制委の島崎邦彦前委員長代理が6月、退任後に始めた研究で過小評価の恐れに気付いたとして、規制委に再計算を提案していた。大飯原発の基準地震動は最大加速度856ガルで、島崎氏が在任中に指揮した審査で了承された。今回、規制庁が別の計算手法を用いた再計算では最大加速度644ガルだった。
 島崎氏の後任として地震、津波の審査を担当する石渡明委員は「基準地震動は安全側に見込んでおり、再計算結果はその範囲内だった。改めて計算して良かった」と述べた。
 
 島崎氏は、入倉孝次郎京都大名誉教授らが提唱し、震源の断層面積から地震規模を算出する「入倉・三宅式」を、大飯原発の震源など地表に対して垂直に近い断層に適用すると、地震規模が小さく見積もられると指摘。
 規制庁は今回、断層の長さに着目した武村雅之名古屋大教授の「武村式」を使って再計算した。