原子力規制委は、関電大飯原発の基準地震動を「武村式」で再計算した結果、現状のまま見直す必要はないとした原子力規制庁の再計算結果を了承しました(福井新聞)※が、問題提起をしていた前規制委員長代理の島崎邦彦・東大名誉教授は14日、「結論には納得できない」として再々計算を求める抗議文を送りました。
島崎氏によると、規制委は計算結果に対して正しい処理を行っておらず、正しく行うと基準地震動を大きく上回り1550ガル(大略)になるということです。
なお島崎氏が再計算に対して「深く感謝する」などとコメントしたと一部(朝日新聞)で報じられたことについても、島崎氏は「納得はしていない。規制委員長の発言は取り消してほしい」と否定したということです。
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大飯原発 基準地震動「再々計算を」元規制委委員が要求
毎日新聞 2016年7月14日
関西電力大飯原発(福井県)で想定する地震の最大の揺れ(基準地震動)に過小評価のおそれが指摘された問題で、原子力規制委員会が別方式で再計算し「問題なし」と結論づけたことについて、指摘をしていた規制委の前委員長代理の島崎邦彦・東大名誉教授(地震学)は14日、「結論には納得できない」として再々計算を求める抗議文を送った。15日に東京都内で記者会見し説明するという。
規制委は再計算の結果を、関電による基準地震動856ガル(ガルは加速度の単位)を下回る644ガルとした。これに対し、島崎氏は▽規制委の計算結果の処理方法は関電と異なり、値が小さく出る▽関電はさらに厳しい条件で追加計算し基準地震動を決めているが、規制委はそれをしていない ― と指摘。同じ条件で計算すれば、結果は大まかな推定で1550ガルにもなるとした。さらに、規制委の13日の記者会見で田中俊一委員長が「島崎先生は非常に安心したと報告を受けている」と話したことについて、島崎氏は毎日新聞の取材に「納得はしていない。発言は取り消してほしい」と憤った。