東電は、福島原発事故の被災者への賠償や、除染、廃炉費用が当初の想定を上回るなどとして、政府に追加の資金支援を要請することが28日、明らかになりました。
数土文夫会長は記者会見で「事業環境整備を政府にお願いする」と述べました。
政府は原資として国の東電への融資枠を9兆円に設定しています。これに対し、東電は、賠償額が既に6兆円台に達し、除染費用も想定を上回る懸念があるとし、福島原発の廃炉作業が本格化すれば多額の費用負担が生じるとしています。
実態はその通りなのでしょうが、では東電に廃炉作業を的確に進める能力があるのかは別問題で、結果としてはみ出した部分はすべて国に要求するというのでは無節操です。
今後どれほどの費用が掛かるのか、まずは全容を国民の前に明らかにする必要があります。
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東電、政府に廃炉支援要請へ 原発事故賠償、想定上回る
東京新聞 2016年7月28日
東京電力ホールディングスの数土文夫会長は28日、東京都内で記者会見し、福島第1原発事故による賠償や除染費用が想定を上回る可能性が高まったとして、政府に負担を求める方針を明らかにした。今後本格化する廃炉に関しても支援を要請する。
帰還困難区域などの除染費用や廃炉作業に関しては国費の投入を求めるとみられる。賠償では支払いの終了時期を明確にするよう要請する見通し。東電は年内にも結論を出すよう求める方針。東電の追加支援につながるため、政府は慎重に判断する。
原発事故の賠償費用は6兆円台に達し、除染についても現行計画の2兆5千億円を超える公算が高まっている。(共同)