原子力規制委は、大飯原発の基準地震動について当初の計算結果が妥当であると結論付けました。
それは使用した入倉・三宅式が正しいということではなく、基準となる地震減の規模(長さ)を大きめに想定しているから大丈夫であったというものです。それならどれほど大きめにすれば妥当だというのかが不明で、他の原発の基準地震動の想定が妥当かどうかの判断もできません。
全体を通して想定した基準地震動を動かしたくないという強い意思だけが読み取れます。
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規制委、大飯地震動「見直し不要」 再計算結果は撤回
東京新聞 2016年7月27日
関西電力大飯(おおい)原発で想定する地震動が過小評価されているとの指摘を巡り、原子力規制委員会は二十七日、同委が独自に再計算した結果は信頼性が低いため撤回するとした上で、関電の計算は妥当で、新たな手法が確立されていない段階では、見直す必要はないと結論づけた。
この日の会合では、規制委事務局が、関電と別の式を使う際、ずれて地震を引き起こす部分の方が、断層面積より大きくなるなどの矛盾が生じ、ずれる面積は関電の値を流用するなど入力値を操作した。
説明を受け、五人の委員が協議。「入力値を工夫、操作したことで、意味のない数字になってしまった」「科学的に逸脱した部分があった」などの認識で一致した。
計算結果を基に、大飯原発の地震動想定が妥当かどうか議論するのは不適切で、計算結果を実質的に撤回すると決めた。
今回の再計算は、震源断層が垂直に近い場合、関電の式では地震動を数分の一に過小評価してしまう、との前規制委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授の指摘を受けて実施された。
別の式を使うべきかどうかについては、「連動する断層を長く見積もるなど安全側で審査している」などの意見が多く出され、現在の手法を見直す必要はないと判断した。