内閣府原子力委員会は、福島原発事故以来、発表を中止していた「原子力白書」を来春に復活することを決めました。2010年以来7年ぶりとなります。
原子力委はかつては「原発推進の司令塔」となっていたもので、自民党内には「『原発推進のとりで』として復権させるべきだ」といった意見が根強くあるということです。
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原子力白書 7年ぶり復活 「原発回帰」の伏線か
毎日新聞 2016年7月25日
内閣府原子力委員会(岡芳明委員長)は、東京電力福島第1原発事故以来、発表を中止していた「原子力白書」を来春に復活することを決めた。2010年以来、7年ぶりとなる。原子力委はかつては「原発推進の司令塔」と位置付けられており、「原発回帰」の伏線との臆測を呼びそうだ。
白書は、11年春に10年版が発表される予定だったが、福島事故を受けて急きょ中止され、09年版以降、発表がストップしていた。今年度になって「編集作業に必要な人員を確保できた」(内閣府幹部)として復活を決めた。来春発表される16年版は、事故後の原子力政策の動きや、今後の展望を紹介する内容になりそうだ。
原子力委は、国の原子力政策を推進するために56年設置された。78年には旧原子力安全委員会と分離され、福島事故後も業務や体制を縮小されたが、自民党内には「『原発推進のとりで』として復権させるべきだ」といった意見が根強くある。【中西拓司】