2016年7月16日土曜日

高浜原発を運転差し止めの仮処分決定で関電が抗告

 関電が高浜原発34号機運転差し止めに対して行った異議申し立てを、12日、大津地方裁判所が再び退けたことに対して関電14大阪高等裁判所に抗告しました。
 これは予想されていたことで大阪高裁の判断が注目されます。
 
 関電は抗告の理由として、「決定は裁判所が、実質的ゼロリスクを求めていて著しく不合理だ」と述べていますが、飛行機や新幹線がゼロリスクでないにもかかわらず、その利便性と危険率との関係で許容されているのと、原発を同列に論じることはできません。
 原発は火力で十分に代用できるので稼働させる必要性がありません。それを無理に稼働させるということであれば、絶対に事故を起こさないという保証=ゼロリスクが求められるのは当然のことです。
 これほど単純な事実を最高裁が認めずに、全国の裁判所に対して稼働を認める判決を下すように暗に促しているのは理解できません。
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高浜原発を巡る仮処分決定で関電が抗告
NHK NEWS WEB 2016年7月14日
福井県にある高浜原子力発電所の3号機と4号機を巡り、大津地方裁判所が運転を認めず異議の申し立ても退けたことについて、関西電力はこの決定を不服として、14日大阪高等裁判所に抗告しました。
 
福井県にある、関西電力高浜原発3号機と4号機については、ことし3月、大津地方裁判所が滋賀県内の住民の申し立てを認めて、稼働中の原発としては初めて運転の停止を命じる仮処分の決定をしました。
これについて、関西電力が異議を申し立てていましたが、12日、大津地方裁判所が「関西電力の説明では原発の新規制基準が致命的な事故を避けるための対策として十分とは言えない。新規制基準で許可を受けたこと自体で安全性が確保されたとみることはできない」として、異議を退け、再び運転を認めない決定をしました。
関西電力はこの決定を不服として、14日、大阪高等裁判所に抗告しました。今後は大阪高裁が、住民と関西電力の双方から意見を聞いたうえで、仮処分の是非を判断することになります。
 
関西電力「早期の決定取り消しを」
関西電力は大阪市内で記者会見し、原子力法務グループの大西健太郎チーフマネジャーが「決定は裁判所が、独自の観点から新規制基準や高浜原発の安全性に対する危惧や不安を述べ、実質的なゼロリスクを求めていて著しく不合理だ。早期に決定を取り消していただくよう全力を尽くす」と述べました。
 
原告「主張を改めて丁寧に説明」
原告の1人で、滋賀県長浜市の辻義則さんは「関西電力には、原発に不安を抱える滋賀県民の願いが反映された決定にしっかりと耳を傾け、謙虚に受け止めてほしかった。住民側の主張を改めて丁寧に説明していきたい」と話していました。