東海地震の予想震源域のほぼ中央に立地していて世界一危険といわれている浜岡原発は、これまで安全性向上工事を「9月末ごろ」に終わるとしてきましたが、中電は、その完成予定時期を取り下げる方向で検討を始めました。新たな完工時期は示さない可能性が高いということです。
それは安全性向上工事の全容が未確定のためで、約4千億円としてきた工事総額がさらに膨らむ可能性が出てきました。
それは安全性向上工事の全容が未確定のためで、約4千億円としてきた工事総額がさらに膨らむ可能性が出てきました。
4千億円といえば他の原発の補強工事額の2倍以上になりますが、直下型の巨大地震に対して果たして有効な補強になっているのかは不明です。というよりも、もともと立地すべきでないところに建てられたこと自体が間違いでした。
そもそも規制委が何故か再稼働不許可を明確にしなかったために巨大な防潮壁は既に完成しています。
莫大な費用を投じたからというような理由で、このままズルズルと再稼働に向かうことは許されません。
ちなみに浜岡原発の半径30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)にある11市町の全首長で、再稼働に賛成の意思を示している人は一人もおらずに、川勝静岡県知事も反対を表明しています。
浜岡原発3~5号機の永久停止(廃炉)を求めた住民訴訟で、第9次原告として新たに25人が4日、静岡地裁浜松支部支部に提訴しましたので、併せて紹介します。
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浜岡4号機 安全性向上工事の完成目標取り下げへ
中日新聞 2016年7月5日
中部電力は、浜岡原発4号機(御前崎市)で進めている地震や津波対策などの安全性向上工事について、「九月末ごろ」としてきた完成予定時期を取り下げる方向で検討を始めた。工事の遅れに加えて、原子力規制委員会の審査も進んでいないことから、新たな完工時期は示さない可能性が高い。再稼働のめどが立たないだけでなく、約四千億円としてきた工事総額がさらに膨らむ可能性が出てきた。
工事は、二〇一一年の東京電力・福島第一原発事故をきっかけに始め、これまでに工期を四回延長している。今年三月には、敷地を取り囲む防潮堤が完成し、現在は緊急時対策所の建設、4号機、3号機内部の補強、配線工事などが佳境を迎えている。
最後に工期を延長したのは一四年十月で、その後も耐震支柱の追加や消火設備の種類変更など設計変更が度重なり、全体の進行が遅れていた。原子力規制委の指摘によっては、さらに追加の設備工事が必要となることから、完工時期の明示は難しい情勢という。七月末に、工事の進行状況についてあらためて発表する見込みだ。
浜岡原発廃炉訴訟 第9次原告が提訴 地裁浜松支部
静岡新聞 2016年7月5日
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)3~5号機の永久停止(廃炉)を求めた静岡地裁浜松支部の住民訴訟で、第9次原告として新たに25人が4日、同支部に提訴した。
弁護団によると、新たな原告は県中西部の住人が中心で、中電を被告としている。1~9次訴訟の原告は計658人になった。
同日には訴訟の第18回口頭弁論が同支部(上田賀代裁判長)で開かれた。裁判長の交代に伴い原告、被告双方が弁論更新などを行った。