2018年6月21日木曜日

21- 活断層“直撃リスク”のある原発は17も

 17日の群馬渋川の地震に続いて、18は震度6弱の地震が大阪北部を襲いました
 豆腐の地盤の上に立っている柏崎刈羽原発の再稼働について、新潟県の花角知事は、選挙中の姿勢を一転させ再稼働容認の姿勢に転じました。大変な裏切りです。
 
 日刊ゲンダイが、全国の原発と断層帯を調べたところ、17の原発近くに大きな断層帯が走っていたり、敷地内にも断層が確認されていることが分かりました。
 活断層の上に原発の重要施設を建設することは禁じられていますが、電力会社は活断層の真上ではないからと稼働を強行しようとしています。しかし断層は垂直に走っているとは限らずに斜めに走っていることが多いので、地図上で真上にないから問題がないとは言えません。
 断層が13万年動いていないから今後も動かないという保障も勿論ありません。次々と原発を再稼働させようとするのは危険極まりないことです。
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大阪北部地震で注目…活断層“直撃リスク”のある「17原発」
日刊ゲンダイ 2018年6月20日
 17日の震度5弱(M4.6)の群馬・渋川の地震に続いて、18日は震度6弱(M6.1)の地震が大阪北部を揺らした。ともに、内陸部の活断層で発生する直下型地震だが、日本列島には、なんと2000以上の活断層が走っている。東西で起きた連日の直下型地震は、一刻も早い脱原発を促しているようだ。ところが、九電は16日、玄海原発4号機を再稼働。新潟県の花角知事は、選挙中の姿勢を一転させ、柏崎刈羽原発の再稼働容認の姿勢に転じている
 
 群馬の地震は、内陸直下で断層が押されて上下にずれた。大阪の震源地付近には大阪府内を南北に走る断層帯や、兵庫県から大阪府へ東西に走る断層帯が集中。有馬―高槻断層帯の水平ずれと、生駒断層帯の上下ずれが同時に起きたとみられている。
 日刊ゲンダイが、全国の原発と断層帯を調べたところ、原発近くに大きな断層帯が走っていたり、敷地内にも断層が確認されていることが分かった(下掲別表)。
 
 原子力規制委の新規制基準では、活断層の真上に原発の重要施設を建設することは禁じられている。
電力会社は、大きな断層帯は真上ではなく原発の周辺だと言い、敷地内の断層は活断層ではないという理屈で、規制委も追認しています。安全は横に置き“再稼働ありき”で進めてきているのです」(反原発の市民団体関係者)
 佐賀県・玄海原発の周辺には、川久保断層など8本も断層帯があるが、九電の「敷地内には活断層がない」という主張がまかり通り、今年3月に3号機、先週16日には4号機が再稼働した。
 
 花角新知事が、任期中の再稼働を示唆した柏崎刈羽原発の敷地内には23本もの断層があり、一部は6、7号機の真下を通る。東電は「20万年前以降は動いておらず活動性はない」と言い張るが、立命館大教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)が、あきれてこう言う。
そんなの詭弁ですよ。断層になっている以上、いつ動いてもおかしくありません。現在、日本列島は、太平洋プレートが北米プレートを、フィリピン海プレートがユーラシアプレートを押していて活発化しています。マグマだまりを押し出すので、火山の噴火が頻発していますが、内陸部の断層のズレも引き起こします。これが直下型地震です。今後も各地で頻繁に起こることは間違いありません」
 高橋教授によると、2000本以上の活断層というが、無名の断層も含めれば、実際には数万本以上はあるという。すべての断層がいつズレてもおかしくない。それなのに、原発再稼働に邁進とは愚の骨頂である。
 
「1973年のオイルショック以来、クリーンなエネルギーとして原発が語られてきましたが、政府も国民もプレートや活断層などの問題からは目をそらしてきました。地震の脅威を目のあたりに、大きなお荷物がようやく見えてきたと言えます。仮に、全原発の稼働を止めても、原発に放射性廃棄物が残っている以上、地震や津波が襲えばおしまいです。廃炉と簡単に言いますが、廃棄物を取り出す方法も、持っていく場所も決まっていません。放射能が緩和されるには、200年以上かかるといわれています。日本列島には、1基の原発も建ててはいけなかったのです」(高橋学教授)
 
 一刻も早く、脱原発に舵を切って、知恵を出し合うしかない。今も、プレートは活断層をグイグイ刺激している。 
 
原  発
近くの主な断層と敷地内の状況
黒松内低地断層帯
東 通
敷地内に断層破砕帯
女 川
加護坊山一箟岳山断層
柏崎刈羽
敷地内に23本の断層、長岡平野西縁断層帯
福島1,2
細川断層、敷地南東海域断層
浜 岡
敷地内に断層破砕帯、周辺に8本の活断層
志 賀
原子炉直下に3本の活断層
敦賀 もんじゅ 美浜
浦底・柳ケ瀬断層帯
大 飯
敷地内に断層破砕帯、周辺に3本の活断層
高 浜
周辺に3本の活断層
島 根
宍道断層
伊 方
中央構造線断層
玄 海
川久保断層帯
川 内
市来断層帯
    ※ 赤字は稼働中の原発