原発は必ず電力の消費地からは遠く離れた過疎地に作られますが、その理由は原発が危険なものであるからに他なりません。そうしておけば万一過酷事故が起きても、商業・工業地帯には影響を及ぼさないからです。
「山陽側で消費される電力のために、なぜ山陰側がリスクを受け入れなくてはならないのか」
島根県雲南市役所で5月29日に開かれた市原発安全対策協議会で、委員の一人が島根原発に疑問を投げかけましたが、納得できる回答は得られませんでした。
毎日新聞の「閑想閑話」のコーナーが取り上げました。
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閑想閑話 島根原発のリスク /島根
毎日新聞 2018年6月3日
「山陽側で消費される電力のために、なぜ山陰側がリスクを受け入れなくてはならないのか」。雲南市役所で5月29日に開かれた市原発安全対策協議会で、委員の一人は島根原発に疑問を投げかけた。
中国電力島根原子力本部の岩崎昭正本部長は「自動車や電気製品のほとんどは山陽側で造っている。県境で物流が遮断されたら島根だけでは成り立たない。各地域でいろいろな部門を受け持って日本経済が成り立っている」と答えたが、納得できる回答とは思えなかった。質問に正面から答えていない印象も受けた。
自治体や議会への説明会では、福島第1原発事故以降の島根原発の安全対策強化が強調される。しかし、良いことばかり聞かされても信頼度は高まらない。記者として、出雲市民として、中国電にはリスクやマイナス面も含めて、きちんと説明してほしいと思う。【山田英之】