2018年6月29日金曜日

柏崎刈羽原発の液状化対策工事を公開

 柏崎刈羽原発の地盤は地震時に液状化する惧れがあるため、現在、耐震強化や液状化対策の工事が進められています。
 28日、このうち「取水路」施設の地盤を改良する工事の様子が公開されました。
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柏崎刈羽の液状化対策工事を公開
NHK NEWS WEB 06月28日
東京電力は、柏崎刈羽原発の地盤が地震で液状化した場合に、主要な施設に悪影響が及ぶおそれがあるとして地盤の改良工事を進めていますが、28日、その様子が報道機関に公開されました。
 
 柏崎刈羽原発の6号機と7号機は去年、再稼働の前提となる国の審査に合格しましたが、地震で液状化した場合に主要な施設に悪影響が及ぶおそれがあることから、耐震強化や液状化対策の工事が進められています。
 28日はこのうち、「取水路」と呼ばれる施設の地盤を改良する工事の様子が公開されました。
この施設は原子炉などを冷却するために海水を取り込むもので、地中に整備されていますが、地盤が液状化すると施設の位置がずれて正常な運用ができなくなるおそれがあります。
 28日は、液状化対策として地下12メートルの深さまで地盤を掘り進めたところに重機で生コンクリートを流し込む作業が行われました。
 東京電力は、柏崎刈羽原発で耐震強化や液状化対策を実施する可能性がある施設が、今回公開した「取水路」を含めてあわせて10か所あることを明らかにしています。
 柏崎刈羽原発の武田智吉副所長は「中越沖地震で液状化がおきた教訓も工事に反映させている。液状化の対策に謙虚に取り組んでいることを地域の方に理解していただけるよう努めていきたい」と話しています。
 
 去年12月に原子力規制委員会の審査に合格した柏崎刈羽原発6号機と7号機が再稼働するには、原発が立地する柏崎市と刈羽村、それに新潟県の同意が必要となります。
 一方で、原子力規制委員会から認可を得なければならないプロセスもまだ残されています。
 東京電力が現在取り組んでいるのが、施設ごとの耐震性や強度など詳しい設計をまとめた「工事計画」の認可に向けた手続きです。
さらに、非常時の態勢や設備の管理方法などのルールを定める「保安規定」についても認可を受ける必要があります。
こうした一連のプロセスを経た後に、再稼働前の最終段階にあたる「使用前検査」を実施し、問題がなければその後、再稼働となりますが、こうした手続きについてスケジュールの見通しはたっていません。また、柏崎刈羽原発の再稼働問題をめぐっては、花角知事が再稼働に慎重な姿勢を示し、県の検証作業に少なくとも2、3年をかけると主張しています。
このため原発再稼働の時期が見通せないという状況が、当面続くことになりそうです。
 
 東京電力は去年1月、柏崎刈羽原発の6号機と7号機が審査に合格する前に、原子力規制委員会に対して大地震による液状化のリスクを説明していました。
それによりますと、液状化によって重大事故対策の排気設備「フィルターベント」や、「取水路」といった9つの主要な施設が影響を受ける可能性があるとしています。
これについて規制委員会は、審査合格の次のステップである「工事計画」の認可プロセスの中で設備の詳細な設計をチェックし、液状化の対策ができているかどうかを見極めるとしています。
 東京電力は、ことし4月に柏崎刈羽原発で耐震強化や液状化対策を実施する可能性がある設備が10か所あることを明らかにしました。
ただ、東京電力では、液状化対策などの工事にどのくらいの期間がかかるのかはまだ分からないとしています。