2018年6月7日木曜日

非公開ヒアリングを制限し 審査の透明性を確保へ

 原子力規制委審査会合を公開している一方で、事務局の規制庁が電力会社などに行う「ヒアリング」は非公開のため、ヒアリング回数が増えると審査会合だけで追っても、事業者の主張が分から審査の透明性が損なわれます。
 その観点から原子力施設の新規制基準適合性審査に関する場合、それぞれの会合で原則ヒアリングは2回までに制限することになりました。
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子力規制委  
非公開ヒアリング制限 審査の透明性確保
毎日新聞 2018年6月6日
 原子力規制委員会は6日の定例会で、各種の審査会合の前、事務局の規制庁が電力会社などから説明を聞く「ヒアリング」の回数を制限する方針を決めた。審査会合を公開している一方、ヒアリングは非公開のため、審査の透明性が損なわれると判断。特に、原子力施設の新規制基準適合性審査に関する場合、それぞれの会合で原則2回までと厳しくする。 
 
 ヒアリングは事務局が事前に事業者の考えをまとめ、審査会合の議論をスムーズに進める効果があるとされる。4月の定例会で更田豊志(ふけたとよし)委員長は、何度もヒアリングするケースに苦言を呈し、「審査会合(で示された内容)だけで追っても、事業者の主張が分からない。ヒアリングに偏重ぎみだ」と指摘。規制庁に改善を指示した。 
 東京電力福島第1原発事故では、それを防げなかった原因の一つとして規制当局と事業者の「癒着」が批判された。更田委員長は6日の定例記者会見で「議論は審査会合で行うもの。このままではネゴ(折衝)と思われかねない。いつか来た道に戻ってはならない」と規制庁にくぎを刺した。【鈴木理之】