2018年6月15日金曜日

六ヶ所村村長選に女性医師が立つ

 使用済み核燃料の再処理工場に経済的メリットはありません。技術も未完成で、六ケ所村再処理工場は、これまで完成予定日を20数回も延期した挙句現在も未定のままです。
 
 もしも稼働すれば工場内は濃厚に放射能で汚染され、その除染は不可能と言われています。
 近海には極めて濃厚な放射性廃液が排出されるので近辺での漁業は出来ません。
 
 しかし村には原子力マネーが落ちるため財政は豊かで、村役場はピカピカだということです。
 19日に始まる六ヶ所村村長選に、遠藤順子医師立候補する予定(共産、社民自主支援)ですが、原発王国のこの地で反原発を謳うのに対しては大変なプレッシャーがかかるということです。
 
 田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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 【青森県六ケ所村・村長選挙】
常設トイレにしてはならない 核再処理工場の壮大なマヤカシに挑む医師
田中龍作ジャーナル 2018年6月14日
イギリスでもフランスでも再処理工場周辺では小児白血病が増えています。六ケ所再処理工場が本格稼働すれば、六ケ所村でも小児白血病が増えるのではないかと心配しています。再処理工場は、原発の1年分の放射能をたった1日で放出してしまいます」。
 
 街宣車からこう訴えているのは、19日告示の六ケ所村選挙(24日投開票)に立候補予定の遠藤順子医師(共産、社民自主支援)だ。野党系候補といえども「原発王国」の青森で首長選挙に立つのは、大変なプレッシャーだ。
 
 原子力行政のサギと虚構を一手に集めた六ケ所村。遠藤医師が候補者となるまでは紆余曲折があった。脱原発陣営から3人に白羽の矢が立った。医師(遠藤氏ではない)、政党関係者、弁護士だった。
 医師は院長から「ダメだ」と言われ、政党関係者は党内の調整がつかず、弁護士は「商売あがったりになる」・・・3者3様の理由で出馬を断念した。原発王国ならではの有形無形の圧力があった。
 最後の切り札として脱原発運動のリーダーである大竹進氏(なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク共同代表)が指名したのが遠藤医師だった。5月19日。告示が1ヵ月後に迫っていた。
 
 六ケ所村の核再処理施設をめぐって、青森県と国は「最終処分場にしない」という覚え書きを交わしている。あくまでも「仮設トイレ」なのである。
 ところが核再処理工場はトラブル続きで稼働していない。着工から25年を経て稼働のメドさえ立っていないのだ。
 
 同工場から放射能漏れが懸念されていた頃、電力会社の幹部が、当時は脱原発を唱えていた河野太郎議員(現外相)のもとを訪れて言った―「先生、あれ(再処理工場)は当分動かないから大丈夫ですよ」。
  使用済み核燃料からウランとプルトニウムを抽出して、新たな核燃料を作り出す・・・できもしないマジックなのだが、国を挙げて「できる」と言い続けてきた。村民の多くは「できない」とわかっていても声に出してこなかった。
 
 地元紙は日本一の原発広告比率を誇る『東奥日報』だ。核再処理工場の壮大なマヤカシは表に出にくい。
 
 「六ケ所村のことを日本全国の人に知ってもらいたい」。遠藤候補予定者は2期目を目指す現職に挑む。
 六ケ所村再処理工場の使用済み核燃料プール(3,000トン)は、ほぼ満杯だ。いつまで「仮設トイレ」と言い続けるのだろうか。
〜終わり~