2018年6月18日月曜日

18- 福島県葛尾村に復興交流館が開館

福島第1原発事故 絆を強める拠点に 
事故後の歩み発信 葛尾に復興交流館開館 /福島
毎日新聞 2018年6月17日
 東京電力福島第1原発事故の避難指示が一部を除いて解除された葛尾村に16日、村が復興のシンボルと位置づける復興交流館「あぜりあ」がオープンした。原発事故後の歩みを村内外に発信したり、村民同士が交流したりする場にしようと村が整備した。村の担当者は「多くの人が村に立ち寄るきっかけになれば」と期待している。 
 
 交流館は、村中心部の落合地区に建設され、主要道路の県道50号沿いにある。愛称の「あぜりあ」は、村花であるツツジの英訳で、全国公募した後、村民投票で決まった。運営は、村などが出資する一般社団法人「葛尾むらづくり公社」が担う。国や県の交付金を活用し、総工費は約4億6000万円。 
 延べ床面積は約880平方メートルで、普通車51台、大型車2台の駐車スペースも確保した。村の古民家の木材を再利用した木造平屋の館内は、「交流スペース」と「情報発信スペース」に分離。交流スペースは畳とフローリングがあり、会議や演奏会、サークル活動に使える。情報発信スペースには原発事故が起きた2011年の新聞記事や、年末年始の特例宿泊の様子など原発事故後の村の歩みを伝えるパネル写真が展示されている。 
 7月16日まで村特産の「凍(し)み餅」や甘酒などが置かれた物産展も開かれている。 
 
 村は16年6月に帰還困難区域の野行地区を除いて避難指示が解除されたものの、居住率は2割程度。昨年7月に夫と2人で村に戻った吉田幸子さん(78)は「村の皆と気軽に会っておしゃべりできる場所ができてうれしい」と笑顔だった。 
 この日はオープンを祝う式典があり、篠木弘村長は「施設が村の復興を推し進め、村民同士や村外の皆様との絆を強くする拠点として活用されることを願っている」とあいさつした。 
 
 入館無料。営業時間は午前9時~午後5時。火曜日休館。スペースを貸し切る場合は、1スペース2時間500円。問い合わせは、復興交流館(0240・23・7767)。【宮崎稔樹】 .