知事選の最大争点“新潟のことは新潟で決める”
池田候補 現状では原発再稼働同意しない 官邸いいなりにならない
しんぶん赤旗 2018年6月1日
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非を最大争点に大激戦となっている新潟県知事選(6月10日投票)。市民と野党の共闘候補の池田ちかこ氏は「現状では再稼働には同意できません」「官邸の言いなりにはなりません」「新潟のことは新潟で決めます」との姿勢を明確にしています。一方、再稼働推進の安倍官邸、自民、公明、業界団体などが支援する相手候補は、“再稼働に慎重”であるかのように装いますが、原発維持の路線は安倍政権と変わらず、「原発ゼロ」は語れません。
相手候補 再稼働推進の安倍政権に直結
池田候補は、(1) 東電福島原発事故の原因 (2) 事故の健康や生活への影響 (3) 避難計画の実効性―について県が行っている「三つの検証」もなされていない現状では、県民の安全が守られないと指摘。安倍政権による再稼働強行の圧力に対し「新潟県民の声を胸に、圧力をはね返せるかが問われている。原発再稼働“大推進”の安倍政権と自民党の言いなりにはならない」と対決姿勢を鮮明にしました。
さらに池田氏は「私たちがめざすのは、原発のない新潟県、日本です」と強調します。原発ゼロの実現へ「再生可能エネルギーで私たちの生活をまかなう」「原発を前提にした地域経済の転換が必要。私が知事になれば、原発に代わる新産業、雇用を検討する会議をただちに立ち上げたい」と訴えます。
「新潟のことは新潟で決める」。こうした姿勢は、原発立地自治体の住民からも共感を呼んでいます。
政府計画案を批判
一方、自公が支持する花角英世候補は「三つの検証を進める」「原発に依存しない社会を」などと言いながら、再稼働推進の安倍政権から全面支援を受ける“矛盾”は隠せません。
安倍政権になって、これまで関西、九州、四国各電力の8基の原発が再稼働しました。さらに政府は、東電柏崎刈羽原発を含めた全ての原発の再稼働が前提である「エネルギー基本計画案」を今夏にも決定する方針。同計画案は、福島原発事故後に2%まで低下した原発の電源構成比率(2016年度)を30年度に10倍の20~22%まで高めるとした“再稼働大推進計画”にほかなりません。また、15%を占める再生可能エネルギーは30年度に22~24%とする消極姿勢です。
池田候補は、同計画案を「原発ゼロと相いれない」ときっぱり批判。5月23日に新潟県魚沼市を講演で訪れ、池田氏と面会して激励した小泉純一郎元首相も、安倍政権の方針を「でたらめ」と評しました。
花角候補は、再稼働推進の安倍政権の方針には理解を示しており、原発が「当座は必要だろう」との考えを表明(5月27日付「新潟日報」)。本当に県民の願いに応えられるのは誰なのかがはっきりしています。
安全性への疑問も
前回知事選の出口調査でも、再稼働に「反対」の県民多数の意思が示された東電柏崎刈羽原発。世界最大規模の総出力とされる同原発をめぐって、重大事故の不安が高まっています。東電は今年2月、柏崎刈羽原発6、7号機について、重大事故時に原子炉格納容器の圧力を下げるために使う重要施設「フィルターベント」の基礎が液状化の影響を受ける恐れがあると発表。その後、県や柏崎市、刈羽村が共催して開いた説明会(5月19、20両日)で、参加した住民から「安全性に大きな影響のあるのを知っていながら、規制委はなぜ許可したのか」などと、厳しい意見が相次ぎました。また、福島第1原発事故の前に巨大津波を想定し検討を進めていたのに、当時の経営陣が対策を怠っていたことが、東電原発事故公判での関係者の証言で明らかになりました。規制委が認めた東電の原子力事業者としての「適格性」は根底から揺らいでいます。
県民の思い しっかり受け止めてくれる人
「なくそテ原発・柏崎大集会」実行委員長の植木史将(ふみのぶ)さん(42)
池田さんはこれまで一緒に、原発ゼロをめざす集会やデモ行進をやってきた人であり、県民の思いをしっかり受け止めてくれる方だと思います。
相手候補の方は、「検証を進める」と言いますが、原発は当面、必要だといい、安倍政権と同じ考え方を示しています。自民党などから支持を受け、政府のやることに逆らえないのは明らかです。
また池田さんは、原発立地自治体の声をずっと聞き続けてきました。反対だけでなく、さまざまな意見に耳を傾け、それを受け止めることのできる人です。
原発ゼロを実現する具体的な道筋を示している池田さんに県政を担ってほしい。