東電の小早川社長は8日、内堀雅雄知事と県庁で会談し、福島第二原発の廃炉について「スピード感を持って検討を進める」と考えを示しましたが、具体的な決定時期や工程については明らかにしませんでした。
福島第二原発の廃炉は既に明言している訳ですが、その実、第二原発にまだまだ未練を持っていることの表れと映ります。しかし、福島第二原発の再稼働は絶対にあり得ないことです。
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第二原発廃炉決定時期、工程示さず 東電社長 知事要請に明言避ける
福島民報 2019年1月9日
東京電力の小早川智明社長は八日、内堀雅雄知事と県庁で会談し、福島第二原発の廃炉について「スピード感を持って検討を進める」と考えを示した。具体的な決定時期や工程は福島第一原発の廃炉作業への影響など多岐にわたる課題整理が必要として依然、示さなかった。福島民報社が同日行ったインタビューでも同様の見解に終始した。
内堀知事は、小早川社長に対し、「県内原発の全基廃炉は県民の強い思いだ。この思いを真摯(しんし)に受け止めてほしい。廃炉を正式に決定するよう要請する」と求めた。だが、小早川社長は「知事からの改めての要望を大変重く受け止める。地元の皆さまの安心に沿うように検討したい」と述べるにとどめた。
福島民報社のインタビューで、廃炉に向けた検討の状況や正式決定の時期について明らかにするよう求められたのに対し、廃炉の技術や経営に与える影響、必要な人員の確保などの課題の検討段階にあり、多くの関係者の意見聴取が必要と説明。福島第一原発の廃炉作業を遅滞なく進められるかも含めての検討が不可欠として「いつまでに工程を示すと言える状況にはない」と明言を避けた。
小早川社長は今年に入り、八日までに大熊、双葉、広野、楢葉、富岡、浪江、南相馬、田村、川俣、川内、葛尾、飯舘の十二市町村を訪問した。立地町の楢葉町などの求めに対しても福島第二原発の廃炉決定の時期は示していない。
小早川社長は昨年六月に福島第二原発1~4号機全てを廃炉にする方向で検討すると内堀知事に表明した。その後、廃炉の正式決定に向けた課題を検討するため、技術や経営企画、財務などの担当部門の違う管理職で構成する社内のプロジェクトチームを七月に設けた。ただ、それ以降、目に見える進展は見られない。