福島原発事故で一時全域が避難区域となった福島県浪江町と葛尾村の住民を対象に、復興庁が行った意向調査で、「戻らない」と答えた割合は浪江町が49.9%、葛尾村が26.8%で、前回調査と比べそれぞれ0・4ポイント、2・6ポイント増えました。
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<住民意向調査>浪江町・葛尾村「戻らぬ」微増 生活環境に不安か
河北新報 2019年1月12日
浪江町は2017年3月、葛尾村は16年6月に帰還困難区域を除いて避難指示が解除された。避難先から戻る住民が徐々に増える半面、生活環境に不安を感じ帰還をためらう傾向が強まっている状況が浮かび上がった。
浪江町に「既に帰還している」と答えた住民は4.9%で前回(17年12月)比1.6ポイント増加。「帰還したい」は11.8%(1.7ポイント減)、「まだ判断がつかない」は30.2%(1.4ポイント減)だった。
判断がつかない理由は「医療機関に不安がある」が62.5%で最多。「商業施設が元に戻りそうにない」が57.8%だった。
葛尾村は「既に村に戻っている」が前回(17年10月)から7.7ポイント増の24.9%。「戻りたい」が21.2%(5.3ポイント減)、「まだ判断がつかない」が23.4%(0.7ポイント増)だった。
判断できない理由は「避難先のほうが生活利便性が高い」が52.6%(15.4ポイント増)で最も多かった。「医療環境が不安」が51.3%(2.6ポイント増)、「村外への移動手段が不便」が42.1%(7.5ポイント増)と続いた。
調査は復興庁と県、各町村が共同で実施。いずれも18年10月に実施し、回収率は浪江町が40.5%、葛尾村が54.8%だった。