「新石岡市を考える市民の会」が、東海第二原発の再稼働の是非について、44市町村長に質問したところ、回答した36市町村長のうち、「賛成」はゼロ、「反対」は8、「その他」「無回答」は28でした。
「反対」の理由は「30キロ圏に96万人が住み、地域条件からふさわしい場所とは思わない」などで、「その他」とした首長は理由として「再稼働の議論は実効性のある避難計画が策定できない限りはありえない」、「県や原発周辺6市村の判断を注視する」などを挙げました。
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東海第二 再稼働「賛成」ゼロ「反対」8 石岡の市民団体、
44市町村長の回答公表
東京新聞 2019年1月16日
東海村の日本原子力発電東海第二原発の再稼働の是非について、脱原発を掲げる石岡市の市民団体が四十四市町村長に質問したところ、回答した三十六市町村長のうち、「賛成」はゼロ、「反対」は八、「その他」「無回答」は二十八だった。反対した八首長は、原発三十キロ圏に約九十六万人が暮らし、避難が困難なことなどを理由に挙げた。(山下葉月)
団体は「新石岡市を考える市民の会」で、昨年十一月二十六日から質問を送付し、一月十三日までに回答があった。再稼働の是非や、避難計画への考え方など三問をアンケートした。
再稼働に「反対」と答えたのは、石岡、高萩、つくば、潮来、那珂、茨城、美浦、八千代の八市町村。理由として「三十キロ圏に九十六万人が住み、地域条件からふさわしい場所とは思わない(小林宣夫・茨城町長)」「東京電力福島第一原発事故を考えれば、故郷に戻れない人を思うと賛成に至らない(中島栄・美浦村長)」などと回答した。
一方、「その他」とした二十七首長は「再稼働の議論は実効性のある避難計画が策定できない限りはありえない(高橋靖・水戸市長)」「県や(再稼働の事前同意に関わる東海村や周辺の)六市村の判断を注視する(須藤茂・筑西市長)」などとした。
県庁で十五日に会見した団体の増山みゆきさんは「再稼働に賛成する自治体はなかったものの、その他と答えた首長に温度差がある。『人ごと』のように感じられる回答もあり、危機感がない」と指摘した。
団体は今後、四十四市町村長に結果を送るほか、再稼働などについて考える住民団体と情報を共有する。
本紙が二〇一七年夏に、四十四市町村長に再稼働の是非を聞いたアンケートでは、三次真一郎・常陸大宮市長と、大塚秀喜・桜川市長は「賛成」と答えていたが、今回の質問で、いずれも「その他」を選択していた。