2019年1月18日金曜日

経団連会長が豹変 「原発どんどん再稼働」に飛び交う憶測

 経団連の中西会長は、年初のインタビューでは原発について「国民が反対するものはつくれない。反対するものをエネルギー業者や日立といったベンダー(製造者側)が無理につくることは民主国家ではない」と述べたばかりですが、15日の定例記者会見で、「再稼働をどんどんやるべきだと思う」と語り、原発の「新設」や「増設」も認めるべきだと述べました。
 驚くべき豹変ですが「どんどんやるべきだ」という言い方には、何か投げやりのニュアンスも感じます。
 一体その間に何があったのでしょうか。
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経団連会長が転換 「原発どんどん再稼働」に飛び交う憶測
日刊ゲンダイ 2019年1月16日
 何があったのか――。経団連の中西宏明会長(日立製作所会長=72)の発言に臆測が飛んでいる。15日の記者会見で、原発について「再稼働をどんどんやるべきだと思う」と語り、原発の「新設」や「増設」も認めるべきだと発言した。さらに、「自治体が再稼働にイエスと言わない。これで動かせない」「公開で討論しないといけない」と、原発推進を全面的に打ち出した。
 
 臆測が飛んでいるのは、ほんの数週間前、正反対の発言をしていたからだ。年初の報道各社とのインタビューでは、311以降、東日本の原発が1基も再稼働していないことを例にあげてこう語っていた。
「国民が反対するものはつくれない。反対するものをエネルギー業者や日立といったベンダーが無理につくることは民主国家ではない」
 
「国民が反対するものはつくれない」と口にしていたのに、「どんどん再稼働すべきだ」とは、ここまで意見を変えるのは普通じゃない。そのため「なにがあったのか」といわれているのだ。
 
安倍官邸から怒られたのではないか、という見方が流れています。原発推進は安倍政権の基本政策なのに、『国民が反対するものはつくれない』と異を唱えた。安倍官邸から激怒されておかしくありません。世論調査では反対が多数ですからね。それで慌てて官邸に聞こえるように“原発推進”を叫んだのではないか、とみられています」(財界関係者)
 
■安倍官邸に怒られたか?
 しかし、「どんどん再稼働すべきだ」などと乱暴な発言は、逆効果になるのではないか。ただでさえ、国民の多くは「原発反対」なのに、「新設」や「増設」まで持ち出されたら、身構えるだけだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「好意的に見れば、国民に一石を投じようとしたのかも知れません。コソコソと再稼働を進めるのではなくて、正面から“原発賛成か”“原発反対か”を公開討論すればいいと考えたのかも知れない。ひょっとして原発村の住民である本人は、“原発賛成”の方が多いと思っているのかも。しかし、これは自爆行為ですよ。恐らく、正面から賛否を問うたら“原発反対”“自然エネルギー推進”が多いはずです」
 
 やっぱり、国民投票で白黒つけた方がいいのではないか。