2019年1月12日土曜日

12- 規制委は使用済み核燃料の空冷式貯蔵を推奨

 関電大飯、高浜、美浜原発がすべて再稼働すれば、使用済み燃料プールは69年で満杯になります。福井県は関電に使用済み燃料を県外の中間貯蔵施設に搬出するよう求めていますが、関電はその候補地を提示できていません。
 
 規制委の更田委員長は9日、「規制委は一貫して、原発敷地内で貯蔵する場合は乾式貯蔵に移行することを促している」と、使用済み核燃料を金属容器(キャスク)で空冷する乾式貯蔵を促していく考えを強調しました。
 そうすれば燃料プールが満杯になるのを避けることは出来ますが、それはしかし、発電所内に多量の使用済み核燃料を保有するのは危険だとする福井県の意向にかなうものではありません。
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水中の核燃料保管量増「望ましくない」 規制委委員長
中日新聞 2019年1月10日
 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は九日の定例会見で、関西電力の県内三原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、関電が候補地提示を先送りしたことについて「各号機の使用済み燃料プールなど水中での保管量がいたずらに増えていくのは、安全上の観点から望ましくない」と改めて指摘した。
 
 更田委員長は「規制委は一貫して、原発敷地内で貯蔵する場合は乾式貯蔵に移行することを促している」と説明。各原発の燃料貯蔵量が増加するのであれば、燃料プールで核燃料の間隔を詰めて貯蔵容量を増やす「リラッキング」よりも、金属容器で空冷する乾式貯蔵を促していく考えを強調した。
 
 関電が県に約束していた昨年中の候補地提示が果たされなかったことについては「約束については、あくまで事業者と自治体との関係なので、規制委として言及はしない」とした。
 関電は、大飯、高浜原発で再稼働済みの四基と、四十年を超える延長運転を目指す高浜、美浜原発の三基が全て運転した場合、使用済み燃料プールは六~九年で満杯になるとしている。県は関電に使用済み燃料を県外の中間貯蔵施設に搬出するよう求めているが、原発の地元首長からは乾式貯蔵施設を容認する声が広がっている (今井智文)