東海村にある使用済み核燃料の再処理施設「東海再処理施設」で、放射性廃棄物を安全に取り出す方法を検討するため、イギリスの技術者5名を招いて意見交換が行われました。
同施設は解体に70年かかり、約1兆円の費用が見込まれるとした廃止計画が認可され、放射性廃棄物を貯蔵施設からどのように安全に取り出すかが課題となっています。
意見交換の場で、イギリスですでに実用化されている小型のロボットを使った技術を日本の施設で応用できるかなどについて検討したということです
それにしても建造当時はプールからの取り出しまで考慮しておらず、必要な設備が備え付けられていない上に、高線量の可能性もあるドラム缶はプールに乱雑に沈められ、容易に取り出せない状態にあるとは驚くしかありません。
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放射性廃棄物 取り出せる? 日英が検討 東海村の再処理施設
NHK NEWS WEB 2019年1月28日
廃止される計画の、茨城県東海村にある使用済み核燃料の再処理施設で、放射性廃棄物を安全に取り出す方法を検討するため、イギリスの技術者を招いて意見交換が行われました。
茨城県東海村にある使用済み核燃料の再処理施設「東海再処理施設」は、解体に70年かかり、約1兆円の費用が見込まれるなどとした廃止に向けた計画が認可され、放射性廃棄物を貯蔵施設からどのように安全に取り出すかが課題となっています。
28日、この分野で研究が進んでいるイギリスの国立原子力研究所から5人の技術者が招かれ、実際の貯蔵施設とほぼ同じ構造で作られた試験設備を視察しました。
イギリスの技術者は施設の担当者から、廃棄物が貯蔵されている容器は水の中でさまざまな方向を向いているため取り出すのが難しい、とか、遠隔でアームを動かす装置を今後試験導入する予定だ、と説明を受けました。
このあと双方の技術者が非公開で意見交換し、イギリスですでに実用化されている小型のロボットを使った技術を日本の施設で応用できるかなどについて検討したということです。
日本原子力研究開発機構 再処理廃止措置技術開発センターの大森栄一センター長は「イギリスの技術を利用して廃止に向けたプロジェクトを進めたい」と話していました。
東海村の高放射性固体廃棄物 貯蔵庫廃止へ検討会
東京新聞 2019年1月29日
日本原子力研究開発機構は二十八日、東海再処理施設(東海村)内にある高放射性固体廃棄物貯蔵庫(HASWS)の廃止に向けた検討会を開いた。技術的に先行している英国の国立原子力研究所(NNL)関係者を招き、三日間にわたって技術提案を受ける予定。 (越田普之)
HASWSは、使用済み核燃料の再処理過程で溶け残った燃料被覆管などの保管を目的に、一九七二年に完成。被覆管は直径七十五センチ、高さ九十センチのステンレス製ドラム缶約八百本に入れられ、施設内のプール二基で貯蔵されている。
しかし、建造当時は取り出しまで考慮しておらず、必要な設備が備え付けられていない。その上、高線量の可能性もあるドラム缶はプールに乱雑に沈められ、容易に取り出せない状態にある。八百本すべてを取り出さない限り廃止措置は進まないため、機構は超音波や水中ロボットなどを使い同様の問題に対処した実績のあるNNLに助言を仰ぐことにした。
会の冒頭、大森栄一・再処理廃止措置技術開発センター長は「先行事例を取り込み、安全かつ早期に実行できると期待している」とあいさつ。NNLのキャット・レノックス営業統括本部長は「事の重要性を認識しており、できるだけの協力をしたい」と応じ、機構職員らとドラム缶を遠隔操作で取り出すための試験用施設を見学した。
機構は、二〇二四年度から二年がかりでドラム缶を取り出し、新設する中間貯蔵施設に移す方針。ただ、ドラム缶の最終的な処分先は決まっていない。