田中龍作ジャーナルが「原発安全神話」の伝道師はマスコミであったと述べました。
福島原発で過酷事故が起きてからも、マスコミが一貫して東電に対して弱腰の姿勢を通しているのは、電力会社が莫大な広告費を持っているからだといわれています。電力会社が豊富な広告費を使えるのは、その費用をそのまま原価に算入できるからです。
かつて関西の民放が「熊取6人衆」という京都大の「反原発グループ」の活動を取り上げた時、電力会社は広告代理店を通じて、その民放に対して番組が再放送されないように、また他局に配給しないように猛烈な圧力をかけたといわれています。そうした力関係はそのまま今も生きています。
田中龍作ジャーナルの記事は「原発神話」の方ではなく、「アベノミクス神話の伝道師」を主に取り上げているのですが・・・
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「原発安全神話」と「アベノミクス神話」 伝道師はマスコミだった
田中龍作ジャーナル 2019年1月28日
今となっては悪質なジョークだが、福島の過酷事故(2011年)以前には「原発は事故を起こさない」という「安全神話」が大手を振って歩いていた。神話を国民の頭に刷り込んだ伝道師はマスコミだった。理由はあらためて言うまでもないだろう。
同様の刷り込みがアベノミクスでも起きた。またしても伝道師はマスコミだった。
「賃金上昇、21年ぶりの記録的な伸び」。2018年8月7日の夕刊と8日の朝刊で各紙一斉に報じた。「記録的な伸び」は、給料の高い会社を選んでサンプル入れ替えした結果だった。明らかなイカサマだった。厚労省が麻生財務大臣の暗黙の指示を受けて不正に手を染めたのである。
それから2日後の8月10日には「GDP実質1・9%増」が報じられた。これも各社一斉である。GDPもマイナスだったと各方面から指摘されている(明石順平著『アベノミクスによろしく』)。GDP増も賃金同様、サンプルの入れ替えにより操作されたのである。
時あたかも自民党総裁選の直前であった。
【写真説明】新聞各紙は厚労省がデッチあげたイカサマの賃金上昇を一斉に報じた(2018年8月7日の夕刊と8日の朝刊)。
原発事故のような健康被害はないので国民の怒りはまだ沸騰していないが、国家を破壊するという点においては、アベノミクスも原発も同じだ。
当事者として事の重大さ、ヤバさに気づいているのだろう。官邸は厚労省に責任をなすりつけて逃げ切る構えだ。
マスコミ報道を見れば、それがよく分かる。新聞・テレビ各社は「厚労省、組織ぐるみの隠ぺい」に持っていく方針だ。
厚労省になすりつけてはならない。公務員が自分の意志で文書改竄をしたり、統計をいじくったりするわけがない。近畿財務局の職員は文書改竄を強制されるのを苦に自殺したのである。
だのに、大物政治家の関与や官邸への忖度を指摘する記事はほとんど見ない。
頼りになるのは野党議員だ。山井和則議員(国民民主)、福島みずほ議員(社民)は、閉会中審査の際、「アベノミクス偽装」という言葉を出して、政府を追及した。森ゆうこ議員(自由)はNHK日曜討論で「アベノミクス偽装」と明快に言った。「安倍さまのNHK」といえども生放送なのでカットできなかった。
新聞テレビを見るひまがあったら、インターネット国会中継や国会パブリックビューイングを視聴した方が、はるかに現実が分かる。
~終わり~