既に200回に及ぼうとしている「再稼働反対!首相官邸前抗議」(金曜官邸前抗議)をはじめ、大規模な国会周辺での抗議や街頭デモなどの反原発運動を展開している「首都圏反原発連合」(反原連)が、8日、野党各党に対して、参院選においてすべての一人区で、自公に勝つために、候補者の一本化を早急に進め、「政策協定」で与党と野党という対立軸を強く打ち出し世論を喚起し、投票率を高める努力すること、そして「政策協定」において、「脱原発」さらには「原発再稼動をさせない」を掲げることを要請する文書を公表するとともに、各党に手渡しました。
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【2016年 参議院選挙に向けての要請】
私たち「首都圏反原発連合」(反原連)は、福島原発事故を契機に2011年9月に発足以来、年に数回の大規模な国会周辺での抗議や街頭デモ、リーフレットなどの発行を軸に反原発運動を展開しています。2012年3月からは「再稼働反対!首相官邸前抗議」(金曜官邸前抗議)を呼びかけ、同年夏には脱原発を望む20万もの人々が官邸前に結集、同年秋には反原連メンバーが、当時の民主党政権の野田首相に官邸にて脱原発の要請をするに至りました。この金曜官邸前抗議はいまだに毎週継続しており、変わらぬ脱原発世論を可視化しています。
2012年末に自民党に政権交代し、第二次安倍政権は2014年4月に「エネルギー基本計画」において「原発を重要なベースロード電源に定める」と民意を無視し独善的に閣議決定、圧倒的な脱原発世論を反映し民主党政権が打ち出した「2030年代原発ゼロ目標」を撤回しました。利権や大手電気事業者の目先の利益だけを優先し、2015年8月には鹿児島県の川内原発、2016年1月には福井県の高浜原発を再稼働させ、福島原発事故以前のように、日本を原発推進国に押し戻しています。
私たちは、この「エネルギー基本計画」の改悪だけではなく、前年の特定秘密保護法の強行採決などからも安倍政権の独裁性に気づき、原発をなくすためには、民主主義や立憲主義をも無視する安倍政権の退陣がまず必須であると考えるに至りました。そして2013年に「安倍政権NO!☆実行委員会」を呼びかけ、原発以外の様々な問題に取り組む団体やグループとともにデモや抗議を行っており、毎回万単位の人々が集まっています。
原発推進だけではなく、戦争により近づくような安保関連法を進め、沖縄の米軍基地撤退を望む民意を踏みにじる自民党安倍政権。昨年、世界唯一の被爆国である我が国は戦後70年を迎えましたが、過去から一切学ばぬ悪しき方向に向かっており、私たちは大きな岐路に立たされています。また経済政策においても失敗は明らかであり、大企業を富ませるだけで多くの国民の生活は困窮に向かっています。私たちには未来を担う子どもたちのためにも、少しでも良い社会と環境を残す責任と義務があり、安倍政権の継続は大きな障壁であると考えます。
来る参議院選挙においては、自民党の議席を減らし政権に影響を与えるため、野党第1党の民主党をはじめ、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの、一人区を中心とした候補者の擁立調整を多くの人々が望んでいました。野党会談で合意、さらに政策協定を結ぶに至ったことについて、敬意を表します。その上で、実際にこの選挙協力が具体的に進み実現することを要請いたします。
さらに、参院選で野党が勝利するために、自民党との対立軸を強く打ち出し世論を喚起し、投票率も高めるよう、取り組んでいただきたいと思います。また、昨年の安保関連法に反対する国会前での抗議での政治家の登壇、去る2月14日に開催しました「安倍政権NO!☆大行進in渋谷」(反原連は実行委員会事務局)で、野党5党の政治家の皆さんが私たち市民と一緒にデモを歩かれたように、市民運動との連帯を強化し、民主主義的姿勢を大きく打ち出していただきたいと思います。
衆参両院ダブル選挙の可能性も視野に入れ、野党共闘の歩を確実に進め、自公に勝っていただくことを強く望みます。原発をなくし、戦争への道を塞ぐためにも、そして民主主義、立憲主義のためにも、私たちの意志をお聞きくださいますよう、お願いいたします。
<記>
1)参院選全般について
2016年参議院選挙において、すべての一人区で、自公に勝つために、候補者の一本化を早急に進めていただきたい。また、「政策協定」で与党と野党という対立軸を強く打ち出し世論を喚起し、無党派層、無関心層の人々にも強く訴えかけ、投票率を高める努力をしていただきたい。
2)「政策協定」について
「政策協定」において、「脱原発」さらには「原発再稼動をさせない」を掲げていただきたい。国民の8割以上は脱原発を望んでいることからも、原発推進の与党との対立軸を明確にできる要素にもなる。
※世論調査によると(朝日新聞 2015/8/25
http://www.asahi.com/articles/ASH8S5G03H8SUZPS007.html )、国民の8割は脱原発を望んでいる。2012年12月の衆議院選挙における有権者出口調査では、自民党に投票した約7割ですら「脱原発(徐々にゼロ63%、即時ゼロ8%)」であった。また、「原発再稼動を進めるべきではない」という世論は6割に達している(日経新聞世論調査2016/2/29
3)市民運動との連帯について
自民党安倍政権は「独裁」的で市民の声を聞かない、民主主義や立憲主義をないがしろにしているという批判があります。野党としては、3.11以降大きく拡大した市民運動と連携することで市民の声に耳を傾ける政党として打ち出せるはずです。「民主主義」「立憲主義」に根ざした政党であることをアピールし、与党との対立軸を強く打ち出していただくとともに、今後の日本の政治のありかたを示していただきたい。
2016年3月8日
首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –