2016年3月30日水曜日

東海第二原発の避難計画 県外への避難4万人増の56万人に

 茨城県東海村の東海第二原発30キロ圏内に国内最多の96万人が居住していて、そのうち原発過酷事故時に県外に避難する人数はこれまで約52万人と見込んでいました。
 しかし学校の統廃合などで避難所として使える施設減少するため約56万人に膨らみました。まさに気の遠くなるような数字です。
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東海第二原発の広域避難計画 県外への避難4万人増の56万人
東京新聞 2016年3月29日
 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の過酷事故を想定した(茨城)県の広域避難計画で、県外への避難者が、これまで想定していた約五十二万人から約五十六万人に膨らんだことが二十八日分かった。橋本昌知事が同日の定例記者会見で明らかにした。学校の統廃合などで、避難所として使える施設の減少が見込まれることから、県内の受け入れ可能人数の見直しを迫られた形だ。(酒井健)
 
 県は、東海第二原発からおおむね三十キロ圏内の十四市町村に住む、国内最多の約九十六万人を避難の対象としている。昨年三月、県が決定した避難計画では、事故時、県内三十市町村に約四十四万人が避難、県内で収容しきれない半数以上の五十二万人を近隣の五県に受け入れてもらう考えだった。
 今回、鉾田市内の急速な学校統廃合で、鹿行地域に避難する市民が増える見通しになり、避難所がいっぱいになる可能性が出てきた。このあおりで、同じ鹿行地域に避難する計画だった大洗町の全町民を、千葉県へと県外避難に変更するなど、計画の修正を余儀なくされた。
 
 また、橋本知事は、福島県に避難する予定の日立、高萩、常陸太田の三市の約二十六万人について、福島県が受け入れを了承したと発表した。県原子力安全対策課によると、三月上旬に福島県側から「受け入れ先市町村の了解を得て、受け入れ市町村が決定した」と通知があった。
 
 日立市と高萩市は同県の浜通り、常陸太田市は中通りと会津地方への避難を想定し、今後、相手先の市町村と具体的な協議に入る。
 受け入れを依頼している残りの栃木、埼玉、千葉、群馬の四県とは、引き続き協議を続ける。
 
 このほか橋本知事は、放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」の広域避難計画への利用について「現時点では、予測値を防護措置の判断に使用することにしていない」と否定した上で「原子力規制委員会と閣僚会議で見解が異なる。国の考えをまとめてほしい」と述べ、今後の国の動向を注視していく考えも示した。