米の高官が、日本の核燃料サイクルに対して、「核安全保障と不拡散にとって懸念をもたらす政策だ」として計画を停止することが望ましいとの考えを示しました。
これはまず高速増殖炉「もんじゅ」はプルトニウムを増やす装置であり、核燃料の再処理も、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出してMOX燃料を作ってみても、それによるプルトニウムの消費量は極めて少ないので、やはりプルトニウムが増える方向になります。
ウラン型の原爆を作るには膨大な数の遠心分離機を用いてウランを濃縮する必要があるのですが、プルトニウムがあればそれだけでプルトニウム型原爆が作れるので、既に48トンものプルトニウムを保有している日本はもともと海外から重大な関心を持たれていました。
それで2014年の第3回核セキュリティー・サミットでも、日本は再びプルトニウムの「最小化」を国際公約したばかりなのですが、実際には核燃料サイクルはプルトニウムを増やすシステムになっています。
それで2014年の第3回核セキュリティー・サミットでも、日本は再びプルトニウムの「最小化」を国際公約したばかりなのですが、実際には核燃料サイクルはプルトニウムを増やすシステムになっています。
したがって米高官の指摘は極めて尤もなことです
日本はその疑念を晴らすためにも、この際「もんじゅ」を含めて核燃料サイクルは全て中止すべきです。
そうすれば無駄な出費が抑えられ、再処理工場の近海が汚染されることもなくなります。そして何よりも爆発事故の危険から解放されます。こういう外圧なら大歓迎です。
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日本の核燃料サイクル政策、米高官が異例の懸念
読売新聞 2016年03月18日
【ワシントン=小川聡】トーマス・カントリーマン米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)は17日、上院外交委員会の公聴会で、原子力発電所の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す日本の核燃料サイクル政策や中国の同様の計画に対し、「核安全保障と不拡散にとって懸念をもたらす政策だ」と述べ、計画を停止することが望ましいとの考えを示した。
カントリーマン氏はこの中で、日中と韓国が再処理の計画を進めていることに対し、「理性的ではない形で競争が激化している。経済的にも合理性がない」と懸念を示し、「全ての国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」と語った。
公聴会は、オバマ大統領が今月31日から2日間、50か国以上を招いて開催する核安全サミットに向けたもの。現役の米政府高官が日本の核燃料サイクル政策に疑問を呈するのは異例だ。